出版社内容情報
テロルや飢餓で数千万人もの犠牲者を生んだ「究極の野蛮」か、帝政ロシアの版図を維持・拡大し、遅れた農業国を近代的な工業大国へと押し上げた未曾有の成功譚か。体制下を生きた市民の声を拾い、「再スターリン化」と呼ばれる現在までを射程に、その構想、実態、遺産を考察する。個人より国家が優先される体制の実態とは。
【目次】
はじめに
序 章 スターリニズムとは何か
ロシア的な土壌に根差したマルクス主義
帝国の遺産①「技術的・経済的立ちおくれ」
帝国の遺産②「はてしなく巨大な国」
「ガーデニング国家」――モダニティの極限として
帝国の生存・再興をかけた野蛮でモダンなプロジェクト
第1章 上からの革命――極限のモダン、究極の野蛮
1 ロシア革命からネップへ――「上からの革命」前史
ロシア革命
内戦へ
ポーランド・ソヴィエト戦争
戦時共産主義
新経済政策(NEP)の始動
2 一国社会主義論と工業化路線の登場
3 戦争の恐怖――安全保障化の第一局面
「安全保障化」の政治力学
仮想敵への恐怖
「大規模作戦」の前哨戦
4 穀物調達危機から非常措置・農業集団化へ――安全保障化の第二局面
「非常措置」による穀物徴発
集団化の開始
5 テロルとグラーグ
6 飢饉と戦争の脅威――ウクライナにおける二つの戦線
大飢饉
ウクライナの重要性
ウクライナを注視するポーランド
ソ連・ポーランド不可侵条約
7 社会主義的近代化の評価
経済成長率の実数
農業集団化の評価
第2章 生きられたスターリニズム
1 流砂社会の発生と国内旅券制度の導入
2 社会的上昇移動
3 消費のヒエラルキーからソヴィエト型消費主義へ
消費のヒエラルキー
「我がソ連にパンはないのでしょうか?」――労働者の抗議行動
ソヴィエト型消費主義
4 祝祭行事
5 ガーデニング国家の下での社会と個人――社会に対するテロル
「新しい人間」の育成
「育成」から「除草」へ
「第五列」とは誰か
大テロルの始まり
6 個と共同性
スターリニスト的主体
親密圏① 試される「家族」
親密圏② 支えあう家族
親密圏③ 友人関係
第3章 スターリンの帝国――対外膨張、「大祖国戦争」、非公式の帝国へ
1 スターリン独裁
「巨大な強大国」への執着
スターリン独裁とは何か
スターリン崇拝
帝国を統べる「ロシア権力」
2 ソ連帝国
スターリンの「自治化」案
「アファーマティヴ・アクションの帝国」
3 ナショナル・ボリシェヴィズム
スターリンの歴史教育
ロシア・ナショナリズムとソヴィエト愛国主義
4 「大祖国戦争」
経緯と結果
「党を核とする文明」
ロシア・アイデンティティの高揚
5 拡張するソ連帝国
西部国境へのこだわり
スター



