出版社内容情報
死の床に就いた桓武天皇。安定した皇位継承を願う彼の“遺言”は、歴史を大きく動かした。ポスト桓武の時代、血なまぐさい事件が起こるなか、藤原北家は幸運を引きつけ、類い稀な才覚と政治的嗅覚を持つ者たちが、天皇家との関係を深めてゆく。藤原道長「望月の歌」をさかのぼること一五〇年、藤原摂関家はこうして生まれた。
【目次】
序 章 伊予親王事件――摂関家への扉
第一章 桓武天皇の“遺言”――皇権の安定化
第二章 平城天皇の迷い――嫡系継承の放棄
第三章 藤原内麻呂の手腕と苦悩――覇権への道
第四章 真夏と冬嗣――兄弟の明暗
第五章 藤原北家の行く末――内麻呂から冬嗣へ
終 章 藤原摂関家の誕生――南円堂信仰
あとがき
引用・参考文献