出版社内容情報
文化が違えば人の考え方も変わる。では、文化の違いはどこから生まれる? 文化はこころにどのような影響を与えている? 人類の歴史や地球の生態から、脳神経や遺伝情報まで、多様な知見を駆使して、人間のこころのメカニズムを解明する文化心理学。通俗的な偏見を退け、多様性の本質を捉える最先端の試みを紹介する。
【目次】
はじめに
第1章 サブサハラ・アフリカに、「文化の違い」を追い求めて
1 アフリカでの挑戦
2 競争が協調を生む?――自己促進的協調の文化
3 他の文化圏と比較してみると
4 親しみか、怒りか、誇りか――感情表出のパターン
5 なぜ文化圏によって違いが生まれるのか
6 文化心理学とはどういう学問か
第2章 日米の常識を疑う
1 文化発見の旅
2 カルチャーショック――日米の文化的差異
3 人間関係の能動性と受動性
4 人についての文化的常識を再考する
5 アメリカから日本へ
6 多様性から共創へ
第3章 文化と心のダイナミズム
1 新たな地平を目指して
2 独立・協調というモデル
3 個人主義と集団主義
4 規範の厳格さ
5 関係流動性
6 まとめ
第4章 人類史から見る文化の起源――生態条件と進化
1 文化はどこに?
2 生態・文化の複合体
3 遺伝子との共進化
4 進化が紡ぐ多様性と普遍性
第5章 多様性と普遍性を探る旅
1 ユーラシア大陸
2 中心傾向の意味すること・しないこと
3 心の世界地図
4 「近代西洋」はどこから来たのか
5 文化心理学が示す未来への道筋
終 章 文化心理学という知の冒険
あとがき