出版社内容情報
御粽司・川端道喜は、室町時代から長く御所に餅や菓子を納めてきた。十五代当主はかつて、この国の四季と結びついた和菓子のゆたかな世界、そして菓子づくりの自身の経験を語り下ろした。多くの人々に愛読されてきたこの書に、春夏秋冬、折々につくられている和菓子の写真を添え、当家の現代表が今日までの歩みを増補する。
内容説明
御粽司・川端道喜は室町時代から御所や茶人に餅や菓子を納めてきた。三十五年前、十五代道喜は変わりつつあった京都で、和菓子の源流、菓子作りの秘話や歳時記などを語った。本書ではそこに現在の代表が今日までの歩みを加える。品物を吟味して乱造することなく五百年を過ごしてきた老舗が、粽や御菱葩に込めた思いに迫る。
目次
第一章 道喜の粽がたり
第二章 葩餅、肴から茶菓子へ
第三章 宮中の歳時記、茶の湯の四季
第四章 京菓子の生活文化
第五章 御所、幕府そして川端家
終章 伝統をこえて
付 京都人気質入門―祇園界隈
川端道喜 この三十五年―増補版刊行にあたって(川端知嘉子)
著者等紹介
川端道喜[カワバタドウキ]
1930‐90年。1950年立命館大学中退後、時事通信社、都新聞社などを経て御粽司15代川端道喜(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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shonborism
2
35年前の新書の増補版。語りおろしのため読みやすい。材料と製法にとことんこだわり、最高級の品を作れる分しか作らないところは京都の職人っぽい。自負と誇りをひしひしと感じる。十五代である著者は90年の本書の刊行のすぐ後に亡くなられたらしいので、今となっては貴重な作品。2025/06/30
akio numazawa
1
時々の権力者との距離感を測りながら取り入るしたたかさ。商売は、食べていけて、少しの余裕で遊びを楽しめればそれでよしとする。いまだよそ者の私にはその奥行きが測り知れないが...。テーマパーク化した京都をなんとかしないと...。2025/08/15
Go Extreme
1
https://claude.ai/public/artifacts/0f51563f-8574-4f70-a1d8-cf523f4e1a89 2025/06/08
Rino Terashima
0
35年ぶりの増補版。御粽司の方が著者なので、第1章は粽について詳細に説明。外国人が和菓子が苦手な理由は、現代の若者にも共通しているのか。菓子の源流は餅で、餅が白鳥に変わるという説話は初めて知った。和菓子はこれからも長くあってほしい。2025/07/29