岩波新書<br> 表現の自由―「政治的中立性」を問う

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岩波新書
表現の自由―「政治的中立性」を問う

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  • サイズ 新書判/ページ数 268p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004320234
  • NDC分類 316.1
  • Cコード C0232

出版社内容情報

本書は「政治的中立性」という曖昧な概念によって人々の言論活動を制限することの危険性を説くものである。公務員や放送への要求であるこの言葉は、いつしか独り歩きし、自由であるはずの私たちの言論空間が委縮して久しい。「何となく、これを言ったらまずいのではないか」という空気は、この国のそこら中に漂っている。

内容説明

本書は「政治的中立性(公平性)」という曖昧な概念で我々の言論が制約されることの危険性を説くものである。多くの場面で我々に求められる「この概念」は独り歩きする。「何となく、まずいのではないか?」と萎縮する空気が、至る所に漂っている。憲法は、このマジックワードに流されず意見を言うことを保障し期待している。

目次

第1章 表現の自由はなぜ重要か(表現の自由とは何か;表現の自由の価値・機能;表現の自由は「優越的地位」を宣言する;間接的な制約も表現の自由の侵害;表現活動への「援助」)
第2章 公務員と政治的行為(占領軍が生んだ国家公務員の政治的行為禁止;休日の選挙ポスター配布の禁止;管理職はアウト、ヒラはセーフ?;地方公務員も政治的行為を禁止されている;政治活動や思想の調査;裁判官の「積極的な政治活動」;裁判官は聖人君子であるべきか?)
第3章 表現活動への「援助」(パブリック・フォーラムの利用拒否;パネル展はパブリック・フォーラムか?;公民館だよりへの「九条俳句」掲載の拒否;市庁舎前広場での集会開催の拒否;県立公園からの追悼碑の排除)
第4章 放送の自由と公平性(放送は政治的に公平であるべきか?;放送に公平性を要求することの問題性;最高裁にとっての放送の自由;海外における放送内容の公平の要求;政権交代を意図した選挙報道?;政府による放送の監督;放送の公平性の確保とは?)
終章 「政治的中立性」と民主主義

著者等紹介

市川正人[イチカワマサト]
1955年生まれ。1979年京都大学法学部卒業。1984年京都大学大学院法学研究科博士後期課程学修認定退学。京都大学法学部助手、三重大学人文学部助教授を経て、1994年より立命館大学法学部教授。2008年京都大学博士(法学)。現在、立命館大学大学院法務研究科特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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skunk_c

66
憲法学者が様々な事例・判例をあげながら、地方公共団体などが市民の様々な表現活動に対して、「政治的中立」というタテマエから制約を加えることが表現の自由の侵害になるという立場で論じている。終わりの方ではテレビに対する政府の放送停止という処分を含む「公平性」要請の危険性についても警鐘を鳴らす。そもそも政府自体が政治的存在であり、また地方公共団体もその議会や首長に政治性があるわけで、その立場におもねることが中立になるわけがない。憲法の「表現の自由」は政治権力を持つ者による侵害を禁じているのに、事態はあべこべだ。2024/08/26

venturingbeyond

34
「政治的中立性」の名目の下、論争的なテーマをパブリックな領域で提起し、議論する表現の自由の保障が不十分なものとなり、「物言えば唇寒し...」との風潮が浸透して公論が先細っていく...。こうした形で、政治参加や熟議から市民一人ひとりが距離を取るようになることで、民主主義の底が抜けていくことへの危惧は、著者と共有できるところ。本筋とは少し外れる部分ではあるが、終章の「主権者教育」を論じる部分については、高校公民科教員として、大きな課題を提起されたものと受け止めました。2025/01/14

zoe

19
表現の自由は重要な人権であるが、政治的中立性を理由に表現の自由を制限してよいものか、裁判や選挙報道の例を参照しながら議論する本。トーマス・エマーソンによる表現の自由の4つの機能。個人の自己充足の確保、真理に到達する手段、社会の決定に参加を保証する手段、社会の安定と変化の間の均衡を維持、ということから優越的地位が認められている。公平、公正が大事なのか、多様性が大事なのか。個人の表現の自由とマスメディアの表現の自由は異なるであろう。2024/10/05

msykst

18
群馬の森の朝鮮人労働者追悼碑の撤去問題の手続きが詳述されていたので読んでみた。論じられるのは「公務員による政治的活動」「(公共文化施設利用や公的支援を通じた)表現活動への「援助」」「放送の自由と公平性」の三つを巡る話であり、いずれにおいても、主に公的セクターが「政治的中立性」を旗印にして懲罰や表現規制、援助の打ち切りを行った事例だった。そこで繰り広げられる役人や政治家の屁理屈を延々と読むのは大変しんどかったけども、著者は明確に市民的観点に寄り添った論を立てていてとてもよかった。2024/09/22

ドラマチックガス

15
表現の自由についてとても丁寧に追った本。AということはBである。ということはCであり、ならばDである…というような感じで様々な実例の解説をしてくれる。法律の専門家の思考法を目の当たりにした感じ。最高裁判決にもビシッと「おかしい!!」と言ってのける豪快さ。安倍政権時代の表現の自由に対する真綿で首を締めてくるような圧力がいかに狡猾で、恐ろしいか。一方でネットなどで見られる表現の自由論争やヘイトスピーチなんかには触れられていない(最後に少しだけ)。こちらはどんな本を読めば分かるのだろう。市川先生の続刊に期待。2024/10/22

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