出版社内容情報
犬への読み聞かせは子どもを読書へ誘い、生きづらさを抱える子どもは傷ついた動物をケアする中で学ぶ。保護犬を育て直して若者は生き直し、補助犬は障害のある人の人生を切り拓く。高齢者は犬や猫と共に充実した最期の日々を過ごす。人間にとっての動物の存在を国内外で30年近く取材した著者が、未来に向けて綴る。
内容説明
犬への読み聞かせは子どもを読書へ誘い、生きづらさを抱える子どもは傷ついた動物をケアする中で育つ。そして保護犬の訓練をとおして若者は生き直し、補助犬は障害のある人の人生を切り拓く。病気のある人や高齢者も犬や猫と共に心豊かな日々を過ごす。人と動物との関係を国内外で三〇年余取材した著者が、未来に向けて綴る。
目次
序章 動物との暮らしがもたらすもの
第1章 子どもの教育と動物
第2章 困難を抱える子どもを支える
第3章 人の生き直しを助ける
第4章 人のために働いてくれる犬たち
第5章 医療や福祉の場で
著者等紹介
大塚敦子[オオツカアツコ]
1960年和歌山市生まれ。1983年上智大学文学部英文学科卒業。商社勤務を経て、世界各地の紛争取材の後、困難を抱えた人と自然や動物の絆、人と動物のかかわりなどをテーマに執筆。『さよなら エルマおばあさん』(小学館)で2001年講談社出版文化賞絵本賞、小学館児童出版文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふう
74
動物と暮らした経験があるたいていの人は、動物に癒やされたり支えられたりすることが実感できると思います。本書では動物の力をさらに深く考察し、人と動物が心を通わせることで、人の力では難しかった問題が解決の方へと向かったり、ときには生きる希望になったりする様子が具体的な事例とともに記されています。自己表現の苦手な子が、犬に読み聞かせをすることで自信をもち始める。厚生施設にいる子が、犬の世話や訓練をすることにより、根気強さや相手をおもんばかる気持ちをもつなど、お互いにとって大切な存在であることが伝わってきました。2023/09/04
おせきはん
32
教育や看護、介護の場で人々に優しく前向きに生きる力をさりげなく与えてくれる犬や猫の力に驚きました。犬や猫と向き合い、自分の心の中にある優しさや強さに気づけるのは、すごいことだと思いました。一方で、言葉を介して本心が隠されたり、立場の違いが緊張関係を生む、人と人とのコミュニケーションの難しさも感じました。2023/06/17
joyjoy
14
これまでに大塚さんの著作などを通して知った施設やプログラムのその後や、同様の活動が各地で行われていることを知ることができて嬉しかった。コロナ禍で中断されたプログラムも多いようだが、また再開されていることを願う。そしてこの本をきっかけに動物がくれる力に関心を持つ人が増えて、さらに活動が広がっていってほしい。著者による写真が今回も素晴らしかった。2023/10/24
マユ
6
様々な福祉施設、医療施設、教育施設で癒しと安心感を与え様々な気づきを与えてくれる動物たち。(主に犬。他に馬や猫の話題も。) 介助犬について知らなかったことも多く、とても勉強になりました。 癒されていく過程を読んでいて私自身もなんだか癒されました。 是非広まってほしい活動ばかりでした。2024/09/28
oooともろー
5
アニマルセラピーについては聞いたことがあったが、ここまで奥深く有効だとは知らなかった。病院、養護施設、刑務所、学校など、幅広い活動を紹介。2023/12/19