岩波新書<br> 超デジタル世界―DX、メタバースのゆくえ

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岩波新書
超デジタル世界―DX、メタバースのゆくえ

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  • サイズ 新書判/ページ数 204p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004319566
  • NDC分類 007.3
  • Cコード C0236

出版社内容情報

誹謗中傷やフェイクニュースがあふれ、詐欺やサイバー犯罪で脅かされる場となりつつあるインターネット。DXやメタバースがこの傾向を助長することはないのか。AIは解決の切り札になるのか。日本がデジタル後進国となってしまった原因は? インターネットを健全な集合知のうまれる場とする道筋を考え、日本のとるべき道を探る。

内容説明

誹謗中傷やフェイクニュースがあふれ、詐欺やサイバー犯罪で脅かされる場となりつつあるインターネット。DXやメタバースがこの傾向を助長することはないのか。日本がデジタル後進国となってしまった原因は?インターネットを健全な集合知のうまれる場とする道筋を考え、日本のとるべき道を探る。著者渾身の書き下ろし。

目次

第1章 DXとはオープンネット化(デジタル敗戦;行政デジタル化の挫折 ほか)
第2章 メタバースの核心(超世界のなかのAI;AIユートピア ほか)
第3章 ネット集合知をうむオートポイエーシス(インターネットの分権思想;集合知を問い直す ほか)
第4章 分断深めるデジタル大国アメリカ(トランプ現象とQアノン;集合知シミュレーションの教訓 ほか)
第5章 日本はデジタル化できるのか(輸入される知;トップダウンDXの危うさ ほか)

著者等紹介

西垣通[ニシガキトオル]
1948年東京生まれ。東京大学工学部計数工学科卒、工学博士。東京大学名誉教授。日立製作所主任研究員、明治大学教授、東京大学大学院情報学環教授、東京経済大学コミュニケーション学部教授を歴任。専攻は情報学、メディア論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ねこ

120
著者は東大名誉教授であり、コンピュータやインターネットの黎明期から活躍された日本の重鎮です。参照文献には情報学は勿論、社会学、言語学、倫理学、哲学など、ビックリするほど広範囲。なんだか自分の思っていた本ではありませんでした。しかし、哲学とIT、著者の経験などを絡めた深い洞察で現状と過去の問題点を提起し日本の方向性が示されています。嫌いではないなぁ。日本のネットの使用環境は一般ユーザーに於いてインターフェースのソフト面が弱い。そこを強化すべし。他方ハード面は優れている。最後に情報教育の深化と見直しも示唆。2023/05/26

KAZOO

91
デジタル化が進んでいる現在にこのような本は非常に価値があると感じました。世の中すべてがデジタル化あるいはDX化ということで騒いでいますが、このような本を読んで少しは振り返ってみることも必要だと感じました。マスコミや政治家あるいは官僚の方々も少しはこのような本を読んでみて本当に必要なことは何なのかと考えてみるといいと感じました。アメリカでデジタル化が進んだ社会で何が起こっているかもよくわかります。2023/02/27

山口透析鉄

32
甥にあげる本としてe-honに注文し、渡す前に読んでみました。昨年1月の書き下ろし新書です。 今だとメタバースにDXというところから話題に入っています。生成AIも同様でしょう。さすがにこの分野に昔から精通されている方なので、安直に対米追従的なことは書かないです。その米国で進展している社会の分断、昨年よりさらに悪化していて、日本も同様になってきているような。ケンブリッジアナリティクスの件なども当然、出ています。 ハイデカーや丸山眞男氏の引用もありますし、極端な還元論だけで人間を理解するのはどだい無理です。↓2024/12/24

道楽モン

17
アカデミックな立ち位置から、歴史的経緯を踏まえて、日本のインターネット政策に警鐘を鳴らす為に書かれたもの。タイトルから期待される、来たるべきデジタル技術による明るい未来像の展望の書ではありません。筆者はパソコン黎明期からPC雑誌などに精力的に寄稿をし、産学のみならず霞が関(その頃は通産省だった)の動向を伝え続けており、時には政治ブレーンとしてアドバイスする立場でもあっただけに、その主張には説得力があり過ぎる程。思想的な言及は、デジタル技術が経済活動ツールに成り下がっている現状を憂いてのものでしょう。2023/03/26

tolucky1962

11
日本での問題:格差,中傷,嘘,詐欺,人材不足,セキュリティ感覚,厳しい客,弱い倫理規制。反人間中心主義的ポストモダニズムが素朴実在論的科学進歩に影響し,データ主義が出現。意味とは生きる主体にとっての価値で主観。生き物の主観重視の著者の基礎情報学へと進化。アメリカ由来のICTの基盤となる一神教の背景を顧みずに追うより日本独自の思想を組み入れるべき。ネット・グローバル資本主義の暴走に歯止めをかけるべき。安心できるソフトを省庁間で協調して整えるべき。生命にとっての情報本来の意味に立ち戻った情報教育の深化が重要。2023/02/19

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