内容説明
PD‐1抗体による免疫療法は、がん治療の考え方を根本から変えた。偶然の発見を画期的治療法の開発へと導いた著者の研究の歩みをたどりながら、生命現象の不思議、未知の世界に挑むサイエンスの醍醐味、そして「いのち」の思想から日本の医療の未来まで幅広く論じる。ノーベル生理学医学賞受賞晩餐会スピーチも収録する。
目次
第1章 免疫の不思議(生命システムの一般則;多細胞生物体の特徴 ほか)
第2章 PD‐1抗体でがんは治る(革新的がん免疫療法の誕生;免疫学の発展とがん免疫療法のたどった道 ほか)
第3章 いのちとは何か(幸福感の生物学;ゲノム帝国主義 ほか)
第4章 社会のなかの生命医科学研究(現代の生命科学の置かれた位置;生命科学と医療のあいだ ほか)
第5章 日本の医療の未来を考える(21世紀医療フォーラム;国民皆保険制度の維持に向けて ほか)
著者等紹介
本庶佑[ホンジョタスク]
1942年生まれ。京都大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了、カーネギー研究所招聘研究員、アメリカ国立衛生研究所客員研究員、東京大学医学部助手、大阪大学医学部教授、京都大学医学部教授などをへて現在、京都大学高等研究院副院長・特別教授。専攻は分子免疫学。2018年ノーベル生理学医学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
67
免疫療法に関する説明(ノーベル賞受賞の研究対象)ももちろん、生命医学に関するさまざまな提言が興味深かった。「日本における科学ジャーナリズムの強化が不可欠」という点は説得力抜群であった。理系に限らず幅広い方々に読んでいただきたい一冊。だって自分のからだのことだから。2019/05/15
奈良 楓
13
【〇】・ 小野薬品と係争になっている、ノーベル賞呪書写本庶先生の著作。 ・ 研究費不足が深刻な問題なようです。応援の意味も込め購入 ・ 本書の内、半分の技術論のところは全く分かりませんでした。・ 半分は生命とは何か、などに踏み込む哲学的な内容。そういうところまで考えなければいけないのですね。2019/06/02
赤い熊熊
7
免疫チェックポイント阻害薬が癌治療の第一選択肢となる日が来るというのが著者の意見。そうあって欲しいと心底思う。2021/01/01
乱読家 護る会支持!
6
ノーベル賞を受賞された本庶先生の本です。 ガン免疫療法とは、一度ガン細胞に敗れた免疫系を再度活性化させる治療法。従来は免疫系の「アクセルを踏む」方法に多くの研究がさかれていたが、本庶先生たちは「ブレーキを外す」方法で免疫系の再活性化に成功した。。。 現時点では、約2割のがんに有効との事だが、近い将来、全てのがんに対処できるようになるかもしれない。社会保障費のコストとの兼ね合いもあるが、がんでは死なない時代がくるのは、もうすぐなのかも。。。2019/09/15
讃壽鐵朗
6
免疫治療薬オブシーボの紹介の他に、著者の日本医療制度改革への情熱が伝わって来る2019/05/15
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