出版社内容情報
「新制度」や「新指針」の中身や現場の戸惑いを仔細に検証.当事者のための保育の在り方を提唱する.
はじめに
第1章 子ども・親・保育者の姿を見つめる
保育園生活に支えられ,子どもの育ちを学ぶ/保育者としての生きがいを考える/制度改革と「保育の自由」が意味すること
第2章 保育の理念を考える――いま,求められる子ども観・保育観
1 子ども観を豊かにしていくために
子どもの権利条約を知る/乳幼児期から権利をもつこと
2 保育観を深めるために
乳児の願いや想い(第1条)/意見表明の権利と保育(第12条)/子どもの最善の利益をめぐって(第3条)/休息及び余暇と保育(第31条)
3 保育の質の向上と専門性
保育者に求められる専門性の内容/保育の質の向上に必要なこと
第3章 新制度の開始と待機児童問題
1 新制度のおおまかな仕組み
2 新制度で待機児童はどうなるか?
施設(保育園・幼稚園・認定こども園)型の保育と地域型保育
3 なかなか増えない認可保育園
4 親たちのほんとうの希望とは?
5 待機児童数は,どう変化してきたか
第4章 子ども・親・保育者が大事にしたいこと――規制緩和を考える
1 規制緩和策による対策でよいのか
保育園の職員配置基準の見直し/保育園の定員の緩和――詰め込むことでよいのか/保育現場とかけ離れた答申――「規制改革推進会議第二次答申」
2 急速にすすむ企業主導型保育
3 幼児教育・保育の無償化と待機児童対策
4 園庭の確保はあたりまえではないか
5 保育者の賃金・労働条件の改善――公的財政の拡充が必要
6 乳幼児保育施設における事故と保育の専門性
第5章 保育所保育指針の改訂内容をどうとらえるか
1 新指針の検討経過と全体の構成
2 保育現場の実情から新指針を自由に議論する――私の基本的立場
全体的な計画(保育課程)――園の目標・理念・方針/乳児保育――新指針の学びと諸条件の改善/小学校との接続強化の影響――「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」/道徳性・規範意識の芽生えをめぐって/新指針にはじめて記載された「国旗・国歌」
3 保育の理念,保育の自由
第6章 保育を学ぶ――保育の自由を深めるために
1 京都の風土を生かして――保育が地域を創る試み
2 子ども・人間への深い探究――『まきばのかぜ』と子どもたちの育ち
3 九州の私立保育園でうかがう――保育者の真剣さと人間への信頼
終 章 保育の自由と未来
「三つの大好き」が育つ――園長論に学ぶ/子どもに向き合う――保育の悩みと喜び/「子どもの時間」を考える/親のパワーに学ぶこと/AI(人工知能)と保育/「ESD(持続可能な)保育」とセンス・オブ・ワンダー/地域と保育を考える――新制度五年後の議論/保育の自由と「夢」をもつ職員集団の形成
あとがき
引用文献・参考文献――さらに学びたい方へ
近藤 幹生[コンドウ ミキオ]
著・文・その他
内容説明
二〇一五年から開始された子ども・子育て支援新制度や一八年から導入された「新指針」。一方で、待機児童問題、規制緩和による質の低下、企業参入による責任の所在の曖昧化など、問題は山積し、現場を混乱に陥れている。本書では、新制度と新指針を正面から検討し、独自の実践例も紹介しつつ、これからの保育の在り方を提案する。
目次
第1章 子ども・親・保育者の姿を見つめる
第2章 保育の理念を考える―いま、求められる子ども観・保育観
第3章 新制度の開始と待機児童問題
第4章 子ども・親・保育者が大事にしたいこと―規制緩和を考える
第5章 保育所保育指針の改訂内容をどうとらえるか
第6章 保育を学ぶ―保育の自由を深めるために
終章 保育の自由と未来
著者等紹介
近藤幹生[コンドウミキオ]
1953年東京都生まれ。白梅学園大学・短期大学学長・教授(保育学)。信州大学教育学部卒業、聖徳大学大学院博士課程修了、博士(児童学)。1978~2004年、長野県・山梨県・千葉県で私立保育園保育士・園長を経験。2004~07年、長野県短期大学幼児教育学科専任講師、同付属幼稚園園長兼務。2007年より、白梅学園短期大学保育科准教授、同大学子ども学部子ども学科教授を経て18年より現職。日本保育学会、幼児教育史学会などの会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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