出版社内容情報
患者・家族からの電話相談等のサポート活動を横糸に、自らのがん患者体験等を縦糸に、医療者や病院、病気との賢い向き合い方を探る。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
58
医療における情報の非対称性に取り組むNPO法人の歩みを紹介。医療者と受診者双方に役立つヒントが簡潔に纏められている。圧巻はご本人をしてこの活動に向かわせた現理事長の若き日の癌体験と、団体創始者の思いがけない発病と看取りまでのドキュメントだ。2018/12/10
夜長月🌙新潮部
49
アメリカ、カナダ、韓国、台湾などでは医師国家試験に模擬患者との面接試験もあるそうです。これがあると日本でもかかった医師に対する苦情というものは減るのかも知れません。しかし、今できることはこの本にある「医師にかかる10箇条」のように患者側もコミュニケーションアップをはかることです。自ら調べて質問することは自分の身のためです。2025/05/15
Greatzebra
21
医療者の時間のなさ(要するに医者が忙しすぎる)がいちばんの問題じゃないかと思うが、そのことについてはあまり触れられていない。医者が1日に診る患者を制限して一人一人の患者に時間を割くことができれば解決する問題があると思うが、制限すると今度は診てもらえない患者が出てくる。医者の数は全く足りていない。2019/02/28
Tatsuya Michibata
6
とても読みやすい本であっという間に読めました。前理事長の辻本さんと著者の山口さんの闘病記のようなところもあり、興味深かったです。「新 医師にかかる10箇条」は色んなところで引用させてもらっています。ただ、以前からどういうわけか「賢い患者」という言葉には抵抗があります。なぜそうなのか、誰か心理分析してほしいところです。それでは、どのような言葉が良いか?主体的な患者、主権者としての患者、命の主人公としての患者、ウーン、良い言葉がうかばない...2019/07/08
twinsun
5
患者は治るか目の前から消えてくれればいいというのが医者の腹の中で考えていることだと喝破した本を以前に読んだ(「精神科医は腹の底で何を考えているか」)が、「あなたに何かしてもらいたいわけじゃないのよ。あなただから聴いてほしいの」というCOML創設者辻本とその後継者である著者の会話はこの対極に在るものだ。病気を視る前にその人に人間同士として向かい合っているか。講演を聴く機会があり、壮絶な医療体験と秘めたる熱い思いを医療従事者と患者の意識変革へのエネルギーへと昇華させた著者と著書を知った喜び。2022/07/08