出版社内容情報
本を読まない、読めない僕らが、新書で思いっきり自由に、真剣に遊んでみた、密着二年の全記録です。
内容説明
四の五のいう前に、ともかく新書に挑んでみた!鷲田清一、長谷部恭男、伊藤比呂美の各氏のパワフルな新書執筆陣を交え、稀代の読み手がファシリテーターとなって学生とトコトン読んじゃった二年間の記録。本を徹底的に読み込み、真剣勝負の対話を重ねる中から、いまどきの学生の等身大の不安や希望も見えてくる。
目次
『読んじゃいなよ!』の取扱説明書
鷲田清一哲学教室
長谷部恭男憲法教室
伊藤比呂美人生相談教室
著者等紹介
高橋源一郎[タカハシゲンイチロウ]
1951年広島県生まれ。横浜国立大学経済学部除籍。現在、作家。明治学院大学国際学部教授。著書『さようなら、ギャングたち』(群像新人長篇小説賞優秀作)、『優雅で感傷的な日本野球』(三島由紀夫賞)、『日本文学盛衰史』(伊藤整文学賞)、『さよならクリストファー・ロビン』(谷崎潤一郎賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
144
高橋源一郎ゼミの学生による、岩波新書を読んだ感想などがかなり収められています。そのゼミに、特別教室として鷲田清一 哲学教室、長谷部恭男 憲法教室、伊藤比呂美 人生相談教室でそれぞれの先生が自分の経験などを語り学生などが質問していきます。また途中には学生による岩波新書の感想が語られていてこのようなゼミであれば楽しいだろうな、という感じがしました。ある意味実験的な新書だという気がします。2016/12/05
マエダ
77
タイトルを付けるとき”「読め!」はイヤだ。なんだか、力ずくな感じがするから。「読んでみたら?」もなんとなく押し付けがましい。「読まなきゃダメ!」だと怒られているみたい。「読むべきだよ」も「読んでみれば?」もピンとこない。”岩波新書をつかって勉強している様子を本にするのが本書の狙い。2018/03/14
抹茶モナカ
38
明治学院大の高橋ゼミで岩波新書を3冊読み込んで、著者を招いて質問するというゼミの模様が書かれている本。あまりに贅沢なゼミの講義。読んだ新書3冊も面白そうな本で、読みたくなった。現代の若者に向けた新書なのだろうけれど、中年が読んでも勉強になった。僕は大学のゼミはほぼ欠席していたけれど、こんなゼミがあったら行きたかったなぁ。勉強できる時にしておくのが一番で、手遅れなんだけれど、もう一度勉強したくなった。高橋源一郎さんの小説は読んだ事はないけれど、学究肌な雰囲気に憧れました。2017/01/30
sayan
37
本書は高橋源一郎氏が勤める大学のゼミに招いた3名の教員と学生のやりとりを新書化したもの。本書では教養なんて単語を使っていないが、その内容は、「自身で考える力」や「問いの立て方」に直結し刺激をうける。先日読んだ「リベラルアーツの学び方」よりも圧倒的に面白い。やりとりのなかで、「アーティストは、きっとこっちだ、という勘と、これは違うのでは、という違和感を持っている。このぞくっとするような方向感覚に優れたアンテナを持っている」という表現があった。アーティストをこんな表現でパラフレーズできるのは素敵だなと思った。2018/01/11
Y
34
こんな本アリ?!と叫びたくなるような画期的な1冊。とにかく高橋源一郎ゼミに入りたいと思った。本を読むことについてよりも、学びとは何かを深く追求していくことができた。伊藤比呂美さんの講座が一番面白かった。憲法の話は難しかったので、著作を読んで再読してみたい。変人性をきわめてゆきたい。人生をよりよくしてゆきたい人は見ればわかるという話になんでかうるっときた。2017/03/25