内容説明
目の具合が悪いときには腹をみる。ひどい汗かきと膝痛は、一つの漢方方剤で解消。人間のからだは部品の寄せ集めではない、との視座から患者をみることを実践する著者が、漢方と西洋医学の叡智を統合した和漢診療学を身近な具体例とともに提案。長年の臨床と研究から得た、患者を本当に幸せにする新しい医療の姿を綴る。
目次
第1章 診療室の一日
第2章 和漢診療学とは何か
第3章 漢方医学の病態のとらえかた
第4章 漢方医学の診察法
第5章 漢方薬の成り立ちと特徴
第6章 日本における漢方の歴史
第7章 科学と漢方
終章 これからの医療と和漢診療学
著者等紹介
寺澤捷年[テラサワカツトシ]
1944年東京生まれ。1963年都立両国高校卒業。1970年千葉大学医学部卒業。1979年千葉大学大学院中枢神経解剖学専攻修了、医学博士。1979年富山医科薬科大学附属病院和漢診療部長。同大学医学部和漢診療学講座教授、同大学医学部長、副学長(病院長)などを歴任。2005年千葉大学大学院医学研究院和漢診療学教授。2010年より千葉中央メディカルセンター和漢診療科部長。日本神経学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医。和漢医薬学会理事長、日本東洋医学会会長、東亜医学協会理事長を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Sakie
18
漢方医学の奥深さを知るのに良い。西暦210年頃に記された「傷寒論」にはじまる数多の古典には、現代で使用する漢方薬や、療治の判断に役立つ知識が既に現れているという凄さ。自覚症状など、計量化できない要素をこそ重視するその漢方の働きを、西洋医学の言葉と論理で解き明かし、裏づけることが一部できているという。ようやく「証明」できたのだ。西洋医学の知識と併用するだけでなく、双方の利点を掛け合わせる医療の進化と呼びたい。漢方薬をドラッグストアで簡単に買える時代に感謝だけど、漢方学、漢方薬への敬意はいつも持っておきたい。2021/05/29
こうちゃ
13
☆4 身体のパーツごとに診る西洋医学と、身体全体を診る漢方の両方を併せ持つ〔和漢診療〕。専門用語を駆使しながらもわかりやすく解説されているので、読みやすかった。まさに今欲しかった情報がたくさんあり、勉強になった。2016/01/16
けん
9
★3.0 人間は部分の集合ではない。全体でとらえることや暗黙知の重要さがよくわかる2019/02/22
ごんちゃん
5
最近、漢方薬に縁があるので読んでみた。入門書というより、著者の漢方診療エッセイ風。漢方薬の基礎知識が知りたい人向けではなかった。漢方薬、科学的にはほぼ解ってないんですな。経験則だけで積み上げてきた処方って、ある意味すごいと思う。2017/12/27
dr.noguchi
3
新書の形態で、気になるページを気軽に拾い読みして欲しい。2018/02/14