内容説明
いいお顔をしている―仏像を見たときそう思うのはなぜだろう。眼、眉、唇、輪郭のどんな特徴がそう思わせるのか。インド、中国を経て、日本にもたらされた仏像は、顔も時代ごとに変化した。本書では、法隆寺金堂釈迦如来、興福寺仏頭、鎌倉大仏など、各時代の著名な仏像の顔をつぶさに分析。仏の仏たるゆえんを顔から読み解く。
目次
序章 仏像の顔、ひとの顔
第1章 仏像の誕生―インドと中国
第2章 飛鳥時代の仏像―杏仁形の眼・古拙の微笑
第3章 白鳳時代の仏像―あどけない顔・おおらかな表情
第4章 天平時代の仏像―国家仏教と威厳
第5章 平安時代前期の仏像―個性的な顔
第6章 平安時代後期の仏像―尊容満月の如し
第7章 鎌倉時代の仏像―力強さと写実
第8章 仏像の「仏」たるゆえん―開眼供養と白毫相
著者等紹介
清水眞澄[シミズマズミ]
1939年横浜市生まれ。1962年東北大学文学部史学科東洋芸術史科卒業。現在、三井記念美術館館長、成城大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
14
何ともいい顔とは、と問いかけられる。はて? それは、平和で穏やかな表情に相違ない。アーモンド形の目の形。杏仁形の眼(43頁)。マスカラはつけておりません(苦笑)。鼻と口は仰月形(45頁)。眉は人間だけのもの(73頁)。他の類にはないのだろうか。2013/11/24
俊介
11
なんとも心惹かれるタイトルだ。そのまま、仏像の顔にスポットを当てた本。我々が仏様を鑑賞し「良いお顔だ」と感じる時の「良さ」とは何だろう?という問い立てもいい。日本に仏教が入ってくる前の古代インドや中国で作られた仏像の顔の分析から始まり、日本では各時代ごとに、その特徴を辿っていく(鎌倉時代まで)。ただ、結果として、客観的記述が目立ち、「良さ」とは何かの思索が及ばなかった印象。もっと顔だけに全振りして、美学的、哲学的に掘り下げても良かったのではないか。すごく勉強にはなりましたが。2021/07/13
こだま
10
日本美術史で仏像に興味を持ったので。単に仏像と言ってもいろいろ種類があるし、時代によって形が異なるので面白いなと思った。2015/10/02
ヤギ郎
9
仏像の基本知識や歴史に触れながら、仏像の顔に着目した本。顔と一括りしても、顔は目や鼻、口といったそれぞれのパーツ(部位)によって構成されているので、すばらしい顔を作るためには、パーツ一つ一つを丁寧に作ることが必要と感じた。東京に仏像たちが集まるので、行く前の予習のために、いかがでしょう。2017/10/18
ceskepivo
9
仏像を見ると、この仏師はどんな気持ちでこの仏像を彫ったか気になってくる。安定した時代には、穏やかな表情の仏像が彫られるそうだ。半眼の仏像が気になっていたが、これは「モノを視るという眼の機能をあえて遮ることにより、精神を集中させているそうだ。また、二重瞼の仏像が日本ではあまり受け入れらなかったというのも興味深い。2015/09/02
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