岩波新書<br> 新自由主義の帰結―なぜ世界経済は停滞するのか

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岩波新書
新自由主義の帰結―なぜ世界経済は停滞するのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 194p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004314257
  • NDC分類 332.06
  • Cコード C0233

内容説明

二〇〇八年のリーマン・ショック以後、世界経済はいまだ立ち直っていない。新自由主義に基づく制度と政策は、どのように金融危機を拡大させ、深刻化させたのか。また、今日の各国の財政危機とどう関係しているのか。新自由主義を支える理論を根本的に批判し、それらがもたらした帰結とその責任を、厳しく問う。

目次

第1章 新自由主義とは何か
第2章 経済復活という幻想
第3章 カジノ資本主義と頻発する金融危機
第4章 グローバル・インバランス
第5章 金融危機から財政危機へ
終章 新自由主義を超えて

著者等紹介

服部茂幸[ハットリシゲユキ]
1964年大阪府生まれ。1988年京都大学経済学部経済学科卒業。96年京都大学博士(経済学)。現在、福井県立大学経済学部教授。専攻は理論経済学(マクロ経済学、金融政策)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えとろん

20
分かり易く新自由主義を開設・批判した本。経済が好調だろうが、バブルが破裂しようが1%の金持ちがさらに金持ちになるシステムであることがわかる。それも中間層以下から金を吸い上げてゆくのだった。特に発祥の地アメリカは酷い。政治家から主流の経済学者、被害者のはずの(保守派の)貧困層(共和党に投票するのが理解できない)まで「自由」のスローガンで是としている姿は滑稽だともいえる。アメリカの深い病理を見た気がする。2022/05/02

手押し戦車

11
政府の規制を全て緩和して市場を徹底的に自由にして競争を促進させ企業は利益を追い求め収益の上がる方向に動き見えざる手が需要と供給のバランスを取る様に自由放任にさせる。政府保護されてる分野は税金や消費者が高い負担が生じるので全く必要無く社会保障の廃止も個人のお金を国が勝手に取り上げて制限していると言う考えになり年金は国民が貯金をして個人に任せて行くと言う考えでマイナス材料が全く無い自由追求発想で人が生きて行く上では国にも政策にも縛られないでこそ新自由主義。自由と謳歌させ実際は弱者を切り捨てる事を促進させる2014/09/28

壱萬弐仟縁

11
資本主義のルールが変わった という節(28頁~)。29頁の図式は覚えておきたい。利潤追求方法が戦後と新自由主義体制では二分され、かつ複雑化している。前者は技術革新を振り出しとして、消費需要が増加に帰結する。他方、後者は後発国が追随するのを皮切りに、消費需要停滞に収斂する。かつ、バブルと消費に投資の拡大の循環と二分された構造だ。自動安定化装置が機能しない変動相場制 の項目(137頁~)。高校の政経や現社の教科書には出てくるのだが、本書ではビルトインスタビライザーは理論の神話とも言及されている(138頁)。2013/08/01

カモメ

7
新自由主義についての批判書。金融危機やサブプライムローンについては勉強になりました。今まで雇用の問題や労働問題を元に新自由主義を捉えていたので私にとって真新しい分野でした。機関投資家資本主義が到来し、目先の利益を重視して投機的な投資ばかりするようになりバブルが生まれていくそうです。金融危機は必ず起こるもの、とありましたが、今後どのように向き合っていくか、理論と過去を元に考えていかないといけないと思いました。経済学の理論も勉強していきたい。2017/11/09

ダンボー1号

7
バブルは日本先輩だったし失われた10年も日本が先輩。新自由主義は米国先輩だから悪いところは真似せず教訓とすべき。格差も同じように起きている。しかし今格差ナシで成長できるのか?経常収支は良くても財政赤字は解消できない日本。製造業壊滅で雇用増えない米国は経常収支が赤字。中国もバブル崩壊と言われ欧州は移民難民・・産油国は原油安だしどこも悪いのか、だったら海外借金がない分日本がまだましなのか?2016/06/27

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