岩波新書<br> 原発をつくらせない人びと―祝島から未来へ

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岩波新書
原発をつくらせない人びと―祝島から未来へ

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  • サイズ 新書判/ページ数 240p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004313991
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0236

出版社内容情報

30年間,原発をつくらせない西瀬戸内海,祝島の人びと.海と山を慈しみ,伝統・文化,祭りを大切にする日常や,交通の要所としての歴史を綴りながら,週1回の女中心のデモなど,政府や電力会社の政策に抗いつづけた日々を,多様な肉声とともに描く渾身のルポ.未来への変革を構想し,実践する勇気とヒントを与えてくれる本です.

内容説明

三〇年間、原発をつくらせない西瀬戸内海、祝島の人びと。海と山を慈しみ、伝統、文化、祭りを大切に生きる暮らしが、そこにある。交通の要衝としての歴史も綴りながら、一一五〇回を超える週一回の女中心のデモなど、政府の政策や電力会社にあらがいつづけた日々を、多様な肉声とともに描く渾身のルポ。

目次

序章 原発ゼロの地
第1章 おばちゃんたちは、つづける
第2章 祝島 その歴史と風土
第3章 陸でたたかう
第4章 海でたたかう
第5章 田ノ浦と祝島沖の二〇一一年二月
第6章 東電の原発事故のあと
終章 未来へ

著者等紹介

山秋真[ヤマアキシン]
神奈川県出身。ノンフィクションライター。1992年から石川県珠洲市へ通いはじめる。1993年、日本大学芸術学部卒業。以降、原発計画にゆれる珠洲と、計画に関連する裁判の傍聴に通う。2003年の計画凍結後、社会学者の上野千鶴子氏の東大大学院ゼミへ通う(05‐09年)。現在は、上関町祝島へ通い、取材を続けている。著書に『ためされた地方自治―原発の代理戦争にゆれた能登半島・珠玉市民の13年』(桂書房)があり、同書で平和・協同ジャーナリスト基金荒井なみ子賞(2007年)、松井やよりジャーナリスト賞を(2008年)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます

30
上関原発の建設を30年にわたって阻止し続けてきた祝島の人たちの姿を追ったルポ。日々の営みを守り、子孫に引き継ぎたいという思いに突き動かされた島民たちのたたかいのドラマに感じ入るものもあったが、それを国策に抗ってまで貫き続けることがどんなに大変なことであるかが何よりズシリと迫ってくる。なかでも、金をちらつかせながら人間関係を切り崩していったことが、島民に残した傷の深さを考えるとやるせない。建設計画が頓挫する状況をつくりだした彼らの苦闘に敬意を表しつつ、それが島の良さを取り戻す一歩になることを願ってやまない。2013/12/27

ロビン

19
ノンフィクションライターの著者が、山口県祝島で上関原発建設への反対運動を30年間続けてきた島民の方々に取材したルポルタージュ。おばちゃんたちのデモ行進、寒い中の座り込み、船やカヤックに乗っての命がけの建設工事阻止など、島民の粘り強さに圧倒される。漁業補償金の受け取りも拒否し抜いた。しかし島は原発問題でハンタイとスイシン真っ二つに割れ、それまでの兄弟姉妹同然の付き合いを断った人も少なくないが、そこまでしなければ運動は保たなかったという。「なんぼ勉強ができても、原発推進するようじゃ、つまらん」との言葉に頷く。2021/03/25

団塊シニア

19
「祝島」の人々が30年間も反原発運動のデモを週1回継続して行ってることを初めて知りました。海、伝統、文化、祭を大切に生きる人たちが政府や電力会社に抵抗する日々、肉声が本書から伝わってくる渾身のルポです。2013/01/31

けんとまん1007

18
原発は、ひとつの象徴として読むと、この本の広がりが一気に大きくなる。地方・地域に暮らすということは、どういうことなのか。そこを踏み台にする生活とはどういうものなのか。そこを見えなくすることを、為政者たちは力を入れるのだと思う。ますます、短期的なことしか見なくなりつつある風潮の中で、どうやっていくか。それにしても、電力会社というのは、モラルも何もあったものではないなと思う。一人一人はそうでなくとも、組織となるととんでもないことをする。同義に反して移住して推進派の町長に投票するとは。2013/12/03

壱萬参仟縁

18
私は山の人で、海の人の苦労はあまりわからない。だが、原発が来るなら、反対すると思う。健康や暮らしの安全、安心を犠牲にはできない。30年もデモを続けてきたという(24頁~)。上関原発音頭(35頁)で「金より命が大事だ」。とりわけ、女性たちの力で阻止してきた歴史がある。地理的には、下北半島の事情を学習していれば、簡単にいく話ではないと思える。午前中に地震があったというので、心配。島の暮らしは浪エネではなく、自然エネルギーである、潮力や風力もあるはず。2013/11/15

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