内容説明
「画狂人」と称した葛飾北斎(一七六〇~一八四九)は、生涯自らの到達点に満足することなく、画業に専心し、多彩な作品を遺した。初期の役者絵から、美人画、摺物、読本挿絵、絵手本(北斎漫画)、風景画、花鳥画、そして晩年の肉筆画まで、傑作・代表作六九点を収録し、その画業を江戸絵画史の中に位置づけながら、読み解く。
目次
第1章 浮世絵師になる―春朗時代(幼年期の北斎;勝川派への入門;勝川派からの離脱)
第2章 摺物と狂歌絵本―宗理様式の時代(二代目宗理を襲名;美人画の世界;狂歌絵本;摺物 ほか)
第3章 再び浮世絵の本流へ―北斎時代(読本の挿絵;洋風風景画の試み;『北斎漫画』)
第4章 天保の錦絵―為一時代(文政期の風景表現;“冨嶽三十六景”の誕生;“冨嶽三十六景”の史的意義;風景版画の諸作;天保期の花鳥版画)
第5章 晩年の北斎(画道へのあくなき執着;『富嶽百景』;晩年の絵本や絵手本など;晩年の肉筆画;北斎の死)
著者等紹介
大久保純一[オオクボジュンイチ]
1959年徳島県生まれ。1985年東京大学大学院人文科学研究科修了、博士(文学)。専攻は江戸絵画史。現在、国立歴史民俗博物館研究部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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