岩波新書
社会力を育てる―新しい「学び」の構想

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  • サイズ 新書判/ページ数 231,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004312468
  • NDC分類 370.4
  • Cコード C0237

出版社内容情報

子どもや若者に広がる社会や他人への無関心。協力し、助け合える社会は築けるか。地域、学校での実践なども紹介しつつ、子どもの「社会力」を育てる重要性を説く。孤立する子育て、学力重視の教育からの転換を提案する。

内容説明

子どもや若者に広がる社会や他人への無関心。協力し、助け合える社会は築けるか。著者は前著『子どもの社会力』で「人と人がつながり、社会をつくる力」を「社会力」として提唱し、注目を集めた。いま互恵的協働社会の実現に向けて、地域や学校で社会力を育てる必要性を説き、学力重視の教育からの転換を提案する。

目次

序章 なぜ、若い世代の「社会化不全」が進むのか
第1章 教育と子どもの現状をどうみるか
第2章 なぜ、いま社会力なのか
第3章 社会生活を営む能力としての社会力
第4章 急を要する教育目標の転換
第5章 社会力をどう育てるか
終章 互恵的協働社会の実現に向けて

著者等紹介

門脇厚司[カドワキアツシ]
1940年中国・青島で生まれる(山形県出身)。1970年東京教育大学大学院教育学研究科博士課程修了(教育社会学専攻)。淑徳大学講師、東京教育大学助教授、筑波大学教授、同大学人間学類長・教育学系長、筑波学院大学長、日本教育社会学会長、日本教師教育学会長など歴任。現在、筑波大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ゆう。

30
人が大切にされる社会を築くためには、人の「社会力」を意図的に育てる必要性を本著では述べられていたと思います。人は社会的存在であり、集団的存在です。人と人とがつながる「社会力」を育てることで「互恵的協働社会」が築かれると指摘します。脳科学の知見やロールズやセンの知見も取り入れ論じられていました。つながる力が人びとには備わっていますが、つながる力が奪われている人々も存在するのが社会です。著者のいう「社会力」がそうしたパワーを奪われている人に対してどのような意味を持つものなのかも考えたいと思いました。2017/08/05

sk

6
社会関係資本を維持・開発する社会力。社会力を育てることで互恵的共働社会を作り出す。そのための教育の必要性。2019/07/28

Moloko

3
教育において「社会力」なる「人間が社会を形成し維持していく上で不可欠な」「人が人とつながり社会をつくる力」を育てる教育の必要性と可能性を、教育学や発達心理学などの知見を頼りに論じたもの。都市化が進んで地域共同体も後退していて、人と人の連帯や助け合いの基礎が危うくなり、子供の人間的な成長にも悪影響がありえて、教育が一つの解決手段にもなりえるのは頷ける。しかし、全国の学校で何をすれば良いかの手法をもっと明確化する営為がなければ、日本の教育行政は変わらない。現実よりかはやや観念に走っているような部分も2017/03/10

ACE

2
現代人の問題点がよく書かれている。特に人間関係に関して、人間関係を上手く構築すること価値や大切さが語られず、恋愛が面倒とか一人でいたいとかという傾向は自分の時間を大切にしているというよりかは、昨今の経済・社会不信や日本人らしい自己犠牲の教育理念による情緒的不安が生み出した傾向だと見ているので、この本は改めて社会を生きる人間として何が必要なのか、何をすべきかを明瞭にしてくれていると思った。2016/06/01

ひよピパパ

2
子どもに社会力を身に付けさせることの重要性を、これまでに解き明かされた先人たちの業績(脳科学や言語理論など)をもとに力説した書。その述べるところには大いに賛成。ただ、あまりに正論過ぎて論旨に刷新さは感じられなかった。また、他者の研究成果を並べるのみでやや退屈の感あり。巻末に参考文献が列挙されているので、その研究成果を覗く際の読書ガイドとはなるだろう。2014/08/17

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