内容説明
誰もが抱える健康不安を背景に、「健康ブーム」を衰えを見せない。ことに、手間暇を掛けずに健康効果、痩身効果が望める―とうたう手法を求める風潮が強い。効率化を求め、慌ただしく動く現代社会の影を映す鏡ではないだろうか。識者へのインタビューを通し、ブームの底にあるものを見裾え、「健康とは何か」を問い直す。
目次
第1章 健康不安社会(からだへの不安;健康は個人の責任か;健康権とは何か)
第2章 健康情報とつきあう(フードファディズム;「情報」にどう向き合うか;ニセ科学への対応;「健康言説」の世界)
第3章 健康づくりの光と影(民間療法の社会学;「メタボ」への疑問;「運動器」の痛みとつきあう;運動とのかかわり)
著者等紹介
飯島裕一[イイジマユウイチ]
信濃毎日新聞編集委員。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。1948年長野県上田市生まれ。北海道大学水産学部卒業。信濃毎日新聞社入社後、報道部、整理部、文化部を経て、1994年から現職。専門は、医学・医療・健康問題(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gondan
4
★★★★★ 「病気」ではなく、「健康」に焦点を当てた本。11人の著者が執筆しているが、そのうち病気のプロである医者は2人しかいない。これは「病気」と「健康」が実は全く別概念であることの証左ではないだろうか。文中の「健康は、本来は私的な問題であり、生きるための自分を守るナルシシズムに依拠しています」(上杉正幸)は、自分にとって衝撃的でした。医者任せでは決して「健康」になることはできない。2012/01/03
オランジーナ@
2
健康についての11人の識者の話。一日一回は定食を食べるといいようだ。2015/10/02
sisekick
1
健康を至上の目的として追い求めるのではなく、自己実現の手段として、健康でいられるよう、身構えずに生活していこうと感じました。 健康についての歴史の変遷から、メタボとか民間療法の話とか、メンタルと痛みとか、様々な視点から健康についての識者のお話で、とても興味深かったです。 2024/12/31
きぬりん
1
前著『健康ブームを問う』と同様、世間の健康ブームの高まりを背景に、健康とは何か、保健政策はどうあるべきか、巷に溢れる健康情報・健康商品とどのように向き合うべきかを多角的に問い直す、11名の専門家に対するインタビュー集。前著はほぼ医師や医学研究者からの聞き取りであり、一般市民・社会に対する断罪的な姿勢も垣間見られたのとは裏腹に、本書では人文・社会科学系研究者が大勢を占めており、健康増進法や健康日本21といった保健政策への批判的な視点が見られるのが特徴的。健康情報へのクリシンとして伊勢田氏が登場するのが驚き。2023/06/04
ぽんまつ
0
この本を読んで、健康とは何かを改めて考えさせられた。 2017/05/07
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