岩波新書
ネイティブ・アメリカン―先住民社会の現在

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  • サイズ B40判/ページ数 233,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004311720
  • NDC分類 389.53
  • Cコード C0236

内容説明

土地を奪われ、排除と同化を強いられてきたアメリカ先住民たちは、今もなお社会の最底辺で困難な生活を送っている。彼らは何を求めているのか。苦境を乗り越えるために始めた廃棄物処理場の誘致やカジノ経営は、部族社会に何をもたらしているか。先住民の歴史・文化・社会を見ることで、アメリカ社会が内包する闇を浮かび上がらせる。

目次

第1章 ネイティブ・アメリカンとは誰か
第2章 先住民の国家
第3章 追われゆく先住民
第4章 民族自決への道
第5章 つくられる先住民像
第6章 負の再生産
第7章 「辺境」からの挑戦

著者等紹介

鎌田遵[カマタジュン]
1972年生まれ。カリフォルニア大学バークレー校ネイティブ・アメリカン学部卒業。同大学大学院ロサンゼルス校アメリカン・インディアン学部修士課程修了。同大学院公共政策・社会調査研究所都市計画学部博士課程修了(都市計画学Ph.D.)。現在、複数の大学にて非常勤講師。専門はアメリカ研究、アメリカ先住民研究、都市計画学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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テツ

29
ネイティヴアメリカンの方々が築き上げた空も大地も人間と調和し溶け合っていた美しく、人間が孤独ではない世界は「新大陸発見」と共に侵略者たちに破壊された。虐殺され弾圧され抑圧の中、この時代にもアメリカの中でマイノリティとして生きるネイティヴアメリカンの現実。壊れた世界は戻らずそこに宿っていた精霊たちは死滅してしまい、アメリカ大陸に根差して生きていた人々は全てを奪われ、今なおドライな迫害を受けて生きている。ネイティヴアメリカンの文化風習が好きなので胸が痛い。いつか彼の地を実際に訪れたい。2018/11/07

リキヨシオ

23
黒人、ヒスパニック系、アジア系ではない、アメリカ国内で最もマイノリティとされる「ネイティブ・アメリカン」。インディアンとも呼ばれた彼らは、移住した白人達によるアメリカ合衆国建国の際に土地を奪われ淘汰された数々の先住民族の末裔。先住民のアメリカ人口比は0.9%、先住民が生活する居住地の数は300、総面積はアメリカ全土の3%、貧困率は黒人24.9%、ヒスパニック系22.6%を上回る25.7%の先住民が貧困層に属している。厳しい環境で生きているネイティブ・アメリカンの現状とアメリカ合衆国との関係が語られる。2015/11/12

活字の旅遊人

21
2013年に読んだ。ブラックの話だけじゃない。居留区って、どうなんだろう。

しろうさぎ

12
ジェイムズ・F・クーパー『モヒカン族の最後』読了後に長らく積んでいたが、先日映画版(1992年)を見たのを機にやっと読めた。先住民が苦難の歴史を歩み、現在に至るも様々な社会問題を抱えていると漠然と認識していたものの、具体的には初めて知る内容が多かった。エンタメコンテンツに惑わされず、クリアな視座を保つためには知識と理解が必要だ。同じくマイノリティ圧政の歴史があり、未来には移民コミュニティが増えていくであろう日本でも他人事ではない。2023/08/19

Francis

7
インディアンと呼ばれることも多いアメリカ合衆国の先住民族の歴史と現状をわかりやすく、コンパクトにまとめている。「自由な移民の国」を標榜するアメリカ合衆国でいかに先住民族が迫害を受けて苦難の歴史を歩み、今もなお差別や貧困に苦しんでいるかが良く理解できる。困難の中でカジノ経営を上手く利用して地位向上をはかる部族や先住民族の権利を主張する人々が出てきていることにささやかながら希望を感じた。この本はネイティブ・アメリカンと同じような迫害を北海道の先住民族アイヌ人に加えてきた日本社会にも無縁ではないはず。2014/10/27

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