内容説明
森と人は、関わることで共に健やかになってゆく。手入れ不足による人工林の荒廃や後継者難の林業など、日本の森が抱える問題を越えて活路を見出そうとする人びとは、森に何を見ているか。森の幼稚園、森林セラピー、地域材利用活動、森林バイオマス、木造建築技術の伝承…森との新しい関わり方を実践する現場からのレポート。
目次
1 育つ(森の幼稚園は五感のゆりかご―感情を深くためるからだに;高校生、森の名人に出会う―「森の“聞き書き甲子園”」というチャンス)
2 つながる(わが町で豊かに暮らし続けたい―森林セラピーで地域づくり;みんなで「森の健康診断」―人工林と森林ボランティア)
3 生み出す(森の恵みを生かすビジネスを―森林バイオマスの可能性;森のプロを育てたい―「林業トレーナー」の挑戦)
4 引き継ぐ(街と山をつなぐ大工たち―地域の材を使いたい;種をまく人たち―木を知る建築士を育てる)
著者等紹介
浜田久美子[ハマダクミコ]
作家。東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。精神科カウンセラーを経て、木のもつ力に触れたことから森林をテーマとした著述業に転身。森林や木と自分たちの暮らしがつながっていることが、人にとっては安定を、森にとっては安泰をもたらすという視点から活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
53
森は生活の一部、人間も森の一部。本書は「育つ・つながる・生み出す・引き継ぐ」を紹介しています。森の幼稚園では、ひとつのおもちゃを取り合うことなく、木に登る子、葉っぱを拾う子、川に入る子、走り回る子。多様な森の恩恵を紹介。~育児、介護、仕事に疲れたときは「森林療法、森林セラピー」一歩足を踏み入れれば森は癒してくれる。~高校生が森の名人に会い、聞き書きをし紹介する森の学び。~私と森は遠いけれど木の幹にそっと触れるだけでも癒されます。落ち葉を本のしおりにして、本を開くたび、森を思い出しています。森の力。2018/12/31
おさと
6
この町でもできるだろうか…癒しの森。でも、人工林ばっかりだからなぁ…。2024/06/22
桃の種
6
森は想像以上に多様な物事と関わりがある2020/10/14
さきん
6
森と人は、関わることで共に健やかになってゆく。手入れ不足による人工林の荒廃や後継者難の林業など、日本の森が抱える問題を越えて活路を見出そうとする人びとは、森に何を見ているか。森の幼稚園、森林セラピー、地域材利用活動、森林バイオマス、木造建築技術の伝承…森との新しい関わり方を実践する現場からのレポート。 2015/07/12
ばん
5
森をも巡る思いやりある優しい本。子どもの教育論は、聊か精神論めいてはいたが、実際に活動している筆者だからこそ確かな教育論として提言できている。森と触れ合う事で子どもがそのエネルギーを発揮できる人間に成長するというのは説得力がある。そして、森林を守るにはどうしたいいのか、という問題へ移る。バイオマスや植林の問題などあったが、それら社会問題として片づけられるものが、実際は筆者にとって、森林による癒しを享受したり、子どもを思いやったりという、優美さにあるところに共感を覚える。2012/12/21
-
- 和書
- ドス・アギラス号の冒険