内容説明
オフィスや家庭で使われるインターネットから、交通や通信などの社会的インフラの制御まで、ITシステムへの依存を深める現代社会。システムの安全性を損なう「ITリスク」に対してどう向き合い、信頼性を高めるためにどのような対策を講じたらよいのかが、いま問われている。セキュリティ技術研究の第一人者が具体的に解説する。
目次
第1章 情報セキュリティからITリスクへ
第2章 「二〇〇○年問題」を再考する
第3章 「リスク」を考えるということ
第4章 ITリスクの問題群
第5章 ITリスクへのアプローチ
終章 ITリスクに立ち向かう
著者等紹介
佐々木良一[ササキリョウイチ]
1947年香川県生まれ。1971年東京大学卒業、日立製作所入社。システム開発研究所にてシステム高信頼化技術、セキュリティ技術、ネットワーク管理システム等の研究開発に従事。同研究所第4部長、セキュリティシステム研究センター長、主管研究長等を経て、2001年4月より東京電機大学教授(現在、未来科学部所属)。工学博士(東京大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
85
ITリスクということで、最近のシステム関連におけるリスクの状況を解説してくれています。最近はサイバーテロを中心とした情報セキュリティリスクに焦点が当てていられることが多いのですが、そればかりではないことを説明してくれています。IOTということですべてのことがインターネットで可能ということになるとこのような考え方がより必要となると思われます。2016/01/09
kaizen@名古屋de朝活読書会
36
#感想歌 #短歌 zero RISK正のリスクを洗い出すでなきゃ導入しなければよい 経済学均衡理論に基づこう貸借対照表は対称 材料はよく吟味され味付けもうまいんだけど調理法どう?2017/03/07
kaizen@名古屋de朝活読書会
11
プライバシーとセキュリティというITにおける重要な危険。参考文献は公式のものを網羅。課題は技術的な視点が十分でない。必要な作業の見積もりや予測がしづらい。枠組みとして有益。具体的技術課題を書き足すとよいかもしれない。2000年問題を復習しているのはとてもよい。日本で技術者の発言を取り上げていないことを指摘している。コンピュータの専門家に取材していない情報媒体が多い。リスクは,診断(assessment)と管理(management)を説明。岩波新書百一覧掲載http://bit.ly/10CJ7MZ2009/11/05
マーム
10
リソースが限られている中、あらゆるリスクに対して対策を講じるということは現実的に不可能であり、リスクを「事故の発生確率」と「事故の影響の大きさ」という二つの要素の積で評価するという著者の考えに得心しました。2010/10/17
ubiy
6
一見薄い新書サイズだが,中身は濃く読み応えはあった.筆者の佐々木先生はITリスク学の概念を提唱している.これから社会の情報化はますます進んでいくと思われるので,IT使用により起こりうるリスクを重要視しなければならない時代がくると思う.そんなときこの本の内容を理解していれば,周囲に惑わされず適切な判断が下せるようになると思う.大学の講義で使われている(らしい)こともあり,素人が読むのには多少難解な部分もあるが,読んでおいてきっと損はない一冊.2010/06/14