内容説明
「国民総幸福」を提唱する国として、たしかな存在感を放つブータン。チベット仏教研究者として長くこの国と関わってきた著者が、篤い信仰に生きる人びとの暮らし、独自の近代化を率いた第四代国王の施政など、深く心に刻まれたエピソードをつづる。社会を貫く精神文化のありようを通して、あらためて「豊かさ」について考える。
目次
1章 遥かなるブータン―雲上の国をめざして(ブータンとの出会い;インド国境を越える)
2章 仏教が息づく社会―ブータンでの暮らし(首都ティンプに住む;新しい国立図書館を建てる;「拝む」ことと「鑑賞」すること;目に見えるもの、見えないもの)
3章 陽気に、おだやかに生きる―ブータンの人びと(恩師ロポン・ペマラのこと;ブータンの時間;素描―ブータン人気質;第四代国王とブータン社会)
4章 ヒマラヤが聳え、雨雪が降り、森林が茂る限り―独自の近代化への挑戦(国民の利益が最優先;伝統文化の位置づけ;豊かな森林を守る;上からの民主化;国際社会のなかで)
終章 ブータンはどこへ向かうのか―「国民総幸福」という理念(人間の価値を重んじた発展を;精神の文化を考える)
著者等紹介
今枝由郎[イマエダヨシロウ]
フランス国立科学研究センター(CNRS)研究ディレクター。東洋仏教史(とくにチベット仏教史、ブータン史、チベット歴史・文献学)。1947年愛知県生まれ。大谷大学文学部卒業。フランスに渡り、パリ第7大学国家文学博士号取得。1981‐90年ブータン国立図書館顧問としてブータンに赴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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SAT(M)
佐藤一臣
コニコ@共楽
壱萬参仟縁
pocco@灯れ松明の火