岩波新書
遣唐使

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 220p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004311041
  • NDC分類 210.3
  • Cコード C0221

出版社内容情報

【2008年度 毎日出版文化賞(人文・社会部門)受賞】

内容説明

中国で、遣唐留学生「井真成」の墓誌が発見されたというニュースは、まだ耳に新しい。国家の使節として、また留学生・留学僧として海を渡った人々は何を担い、何を求め、何を得てきたのだろうか。遣隋使と遣唐使を統一的にとらえる視点から、七、八、九世紀の約三百年にわたる日本古代外交の実態と、その歴史的な意義を読み解いていく。

目次

序章 遣唐留学生の基誌
第1章 遣隋使から遣唐使へ
第2章 長安・洛陽への旅
第3章 海を渡った人々
第4章 往来した品々
終章 日本文化の形成と唐文化

著者等紹介

東野治之[トウノハルユキ]
1946年西宮市に生まれる。1971年大阪市立大学大学院修士課程修了。専攻は日本古代史・文化財史料学。現在、奈良大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

11
倭→日本へ と改称されていく(46頁)。日の昇る本のところ。今では、残念ながら、放射能が漏れ出る本、という残念なことになっている。北路と南路とあり、長安を目指したようだ(59頁)。円仁の『入唐求法巡礼行記』は有名(124頁)。唐招提寺は、戒院、宿院、とも言われ、律の実践を学ぶ場とされた(133頁)。鑑真の仏典写本(137頁)。選ぶ自由。つまり、入れるべきものは何で、入れてはならないものは何なのか。そうして判断基準が何だったのか、気になるところ。日本にとっては、中国からかなりの文物が流入してきたのである。2013/08/05

紫草

10
遣唐使について何も知らない私(何十年か前の高校日本史の知識)にも、読みやすかったです。一般向けですが受けを狙っておもしろくしてるのではなくて、専門の学者がきちんと書いてる、でもわかりやすいのでおもしろい。ここから始めて、もっと深く勉強するための基礎としてとてもよいと思いました。2022/11/06

isao_key

10
2004年9月遣唐使として渡航した日本人留学生「井真成」の墓誌が唐の都であった西安の東郊から発見されたという記述で始まる本書は、遣唐使について一般向けに分かりやすく解説したまじめな本。著者の『遣唐使船』も以前読んだが、改めて気づかされたとの多い一冊であった。例えば菅原道真は遣唐使の廃止を進言したと習ったが、道真は『菅家文草』の中で、渡航途中に落命した者や賊に殺される者が少なくない以外に、この時期唐の国内情勢が不安定で何が起こるか分からなので派遣の可否をよく考えるようと現実的な提案をしたにすぎなかった。2013/04/16

MUNEKAZ

8
遣唐使についてのコンパクトな概説書。印象的なのは遣唐使の意義として政治・外交面よりも、留学僧らを中心とする文化の受容面を上げているところ。日本文化の原型を形作ることになる多くの漢籍・仏典を収集しながらも、道教や宦官といった要素は排除するなど、その選択的な文化受容の姿勢は面白い。また経済や学問に比して国際交流における政治・外交面の薄さが、国風文化の発展や古代から近世における日本と中国の距離感、鎖国性に繋がっているというのも興味深い指摘であった。2018/07/23

はぐ

4
真言宗の開祖・空海さんは、遣唐使の船に乗って中国に渡り、密教を伝授された。遣唐使の船が行き来していたのは約200年で、その間20回(回数には諸説あるが東野さんの著書に準じる)の往来があった。真言宗の開祖・空海さんは、第18次遣唐使船(第16次という説もあるがこれも東野さんの著書に準じる)に乗り、中国へ渡った。その船には他にどんな人たちが乗っていたのかを知りたくて手に取った。空海さんに関する他の著書と併せて想像をめぐらせると、本当に面白い。「知」とはこういうことだと思う。2022/08/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/514168
  • ご注意事項