岩波新書
報道被害

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  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004310600
  • NDC分類 070.15
  • Cコード C0236

出版社内容情報

過熱報道や犯人視報道が絶たないのはなぜか。被害救済のあり方、報道改革の道すじについて考える。

内容説明

大きな事件や事故が起きるたびに、マスコミは被害者や遺族を取り囲み、マイクを差し出す。松本サリン事件をはじめとして、犯人視報道も後をたたない。深刻な被害をもたらすこの問題に、弁護士として取り組む著者が、報道のあり方を検証し、被害の救済方法について解説。権力的なメディア規制によらずに取材と報道を変える道を提言する。

目次

第1章 報道被害と向き合う
第2章 松本サリン事件報道・再考
第3章 犯罪被害者への取材と報道
第4章 報道被害とたたかう
第5章 報道不信とメディア規制
第6章 市民のための報道へ

著者等紹介

梓澤和幸[アズサワカズユキ]
1943年群馬県桐生市生まれ。一橋大学法学部卒。1971年弁護士登録。現在、弁護士、山梨学院大学法科大学院教授。日弁連人権と報道調査研究委員会委員長。共同通信社「報道と読者委員会」委員。国分寺市人権擁護委員。ランビック(報道被害救済弁護士ネットワーク)会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

雲をみるひと

35
弁護士の作者による報道被害についての本。伝統的な有名事件のリファーなどもあり法律知識がある方が頭に入りやすいが、専門的な記述もさほど多くないことや、松本サリン事件や福岡一家4人殺人事件など著名事件を題材にしているなど、万人にとって読みやすい工夫がされている。2022/02/10

フリスビー

25
メディア側の問題はもちろん、それを「消費」する私たちへの問題提起が考えさせられます。私たちは、「私は被害に遭っていない」という高みから被害者を見下ろすような態度をとってはいないでしょうか。そうした態度や視線は、共感とか、共に生きる、という姿勢とはかけ離れたところにあるものです。身近な人が災害や犯罪被害にあったとき、まず寄り添い、共感しようとするでしょう。同様にメディアの報道に際しても、隣人の体験として、その被害と精神的体験を想像する力を持たなければならないと猛省しました。1人でも多くの人に読んで欲しい本。2014/04/13

ひなっとぉ

23
74点…『松本サリン事件』や『桶川ストーカー事件』など、改めて報道被害という視点で見るといかに酷いことが行われてていたのかと驚かされました。でも、そういったセンセーショナルな報道を興味津々で見ている自分たち受け手側にも問題があるのかもしれませんね。『松本サリン事件』の被害者の河野さんの「私を犯人扱いしたのもマスコミなら、そこから救ってくれたのもマスコミ」 という言葉が印象に残りました。2011/09/03

501

21
報道被害の実例(松本サリン事件、桶川ストーカー殺人事件など)をあげ報道被害者を襲う実情と被害者となった際の対応方法を論じ、報道被害を抑制する4つの解決策を提言する。同時に個人情報保護法など、表現の自由を萎縮させ、知る権利を阻害する規制のあり方に警告を鳴らす(政治家の目論見への批判を含んでいるが)。報道被害の実情だけでなく、民主主義国家として必須である情報の開放性とどう相克していくのか、という点にも視野を広げさせてくれる本。2015/08/16

壱萬参仟縁

17
報道被害とは、テレビ、新聞、雑誌などの報道によって伝えられた人々がその名誉を棄損されたり、プライバシーを侵害される人権侵害のこと(22頁)。メディアが冤罪事件を謝罪しないのは、松本サリンのとき(57頁)。その後謝罪はあったというが、県警とか松本警察署は謝罪しなかった(58頁)。警察権力の開き直り。メンツを保つようだが、県民からすれば納得いかない。被害者の顔や名前が出るのに、加害者のは出ないのは不公平な話。学業、研究の積み重ねを否定する人もいる。名誉=社会的評価を踏みにじる輩は許せない。プライバシー権大事。2013/08/11

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