内容説明
二一世紀に入っても武力紛争や大規模な人権侵害は止むことがなく、暴力と憎悪の連鎖が続いている。そして世界には、新たな分断線が引かれ始めた。いま、平和を築き上げるために、国連や国際法そして市民には何ができるのだろうか。いかにすれば、人間は対立を超えて真に和解できるのか。人権と人道の時代を迎えるための条件をさぐる9話。
目次
尽きせぬ武力紛争―「新しい戦争」の時代に
未完の理想―国連による平和
平和のための法―国際人道法と国際刑事裁判
平和を再定義する―人間のための平和
人道的介入―正義の武力行使はあるか
平和と人権と市民たち―市民社会の世界化へ
核と殱滅の思想―人間の忘却としての平和破壊
絶望から和解へ―人を閉じ込めてはならない
隣人との平和―自分を閉じ込めてはならない
著者等紹介
最上敏樹[モガミトシキ]
1950年北海道生まれ。1974年東京大学法学部卒業。1980年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。国際基督教大学教授、同大学平和研究所所長。専攻は国際法、国際機構論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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時間に追われる社会人
13
学習資料2016/01/28
meg
10
とても勉強になり、考えることもできた。また再読したい。 2006年の著作だが、2023年に読んでいま平和とは。 問う。2023/11/02
Uzundk
9
すでに二度、全てをおわらせるはずの戦争をしたがそれでも終わらない戦争について。ある暴力を止めるために暴力を振るうことの正統性、平和とは単に戦争の無い状態ではないと言うことの2点は現在もこれからも考え続けなければいけないと感じた。 第8話の壁についての話、イスラエルとパレスチナを例に相手と自身の間に壁を作ることで更に対立が深くなる事を示した(もちろんそうでは無い人もいる)。寛容を持つ事と相手の寛容に感謝しそれに答えることの重要性はもっと小さな規模でも感じている。2015/08/25
おおた
5
国際平和について考える最初の一冊に最適であり、更に考えるための基礎でもある。国連がWW2の失敗からいかなる理想を持つようになり、各国や人がが20世紀にどのような努力をしてきたか俯瞰できる。ここから原民喜と中村哲は読もうと思った。2014/01/02
takao
4
ふむ2024/03/02