岩波新書
ジャンヌ・ダルク―歴史を生き続ける「聖女」

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  • サイズ 新書判/ページ数 232p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004309680
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0222

内容説明

フランス解放の闘いの先頭に立ちながら、異端裁判で火刑にされたジャンヌ・ダルクは、死後復権して、聖人に列せられた。同時代から現在まで、五百五十年余にわたって歴史を生き続ける「聖女」像を、史料を博捜して追跡する。そこからは、中世、啓蒙の時代、国民国家と変わりゆくフランスの歴史が浮び上り、興味ぶかい。図版多数。

目次

序章 史実と伝説
第1章 同時代人が描くジャンヌ像
第2章 後世の人々が描いたさまざまなジャンヌ
第3章 処刑裁判記録に現われたジャンヌ像
第4章 ジャンヌ列聖とジャンヌのめぐる論争
終章 歴史を生き続ける「聖女」

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

TSUBASA

23
神の声を聴き、王太子に忠誠を誓って軍の先頭に立ち、英国に脅かされていたオルレアンを解放、さらに王太子の戴冠を助けたものの、英軍に捕らえられ、異端の角で火刑に処された伝説的少女ジャンヌ・ダルク。様々なジャンヌ像やオカルトチックな説まで紹介し、数少ない信憑性のある史料である裁判記録を元に彼女の実態に迫る。女傑として有名だけど何をしたのか、何故火刑に処されたのかとか知らなかったなぁ。なし得たことだけを見ても創作かと思えるくらい劇的。しかし史料が少ないために、結局のところ実態は想像に委ねられてしまうんだろうな。2017/11/13

ころこ

20
現在、ジャンヌ・ダルクは女性リーダーの表象と認識されています。明治期の日本では新しい女性の生き方として、近代ヨーロッパでは、戦場で戦う戦士ではなく、法廷での内面を告白する近代人として、歴史的な変遷と場所により背負った意味は異なります。ともすれば、著者が冒頭で源義経と比べているように、ジャンヌ生存論やジャンヌ王女論のようなロマン主義的展開に流れる嫌いもあります。ところが、ジャンヌに対する態度の決定的違いは、当時の裁判記録が残っていることです。キシュラの『処刑裁判記録』からペルヌーに続く実証的な研究により、本2018/03/10

Takayuki Oohashi

13
昔、アニメージュを読んでいた時に酒見賢一&近藤勝也コンビでジャンヌ・ダルクの漫画を連載していたのですが、その縁で図書館でこの本を見つけて面白そうと思い、読んでみました。フィクションではなく、リアルに限りなく近いドキュメント風の本でした。それと、日本の明治・大正期のジャンヌの受け入れ方や、今世紀においてのフランス本国での彼女の捉え方なども書いていて、それもまた興味深かったです。酒見さんがこの少女を題材に書き始めたのも分かる気がします。それだけ奥の深い女性だったように思いました。2016/06/04

usanosuke

10
神の声を聴き、オルレアンの攻防戦で勝利し解放に導いた英雄。ジャンヌ・ダルクは今も昔もその鮮烈な功績と生涯から伝説化され、映画や小説、絵画、漫画に至るまで創作上でも大いに活躍している人物だ。創作で盛り上がる一方でジャンヌには、その生涯を明らかにする二つの裁判記録が残っている。一つは彼女を異端者として裁いた処刑裁判の記録で、ジャンヌの供述なども残されている。もう一つは火刑の25年後に行われた復権裁判で、ジャンヌの戦友や市民たちなど百名を超える証言が残されている。本書では、この二つの裁判記録を具体的に(続く)⇒2019/01/26

翔(かける)

9
小さい頃に世界の伝記漫画シリーズで存在を知ったジャンヌダルク。彼女の短くも壮絶な人生に、のめり込むようにして漫画を読みました。最近、ふときちんと知りたいなと思い、その時にタイミングよく出会ったのがこの本でした。著者は処刑裁判記録も翻訳している方とあって、短い新書のページ数でもわかりやすく詳細な説明があり、あっという間に読んでしまいました。次は裁判記録の方も読んで、私の知らないジャンヌダルクを知って行きたいと思います。2023/01/17

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