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岩波新書
多民族国家 中国

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004309383
  • NDC分類 316.822
  • Cコード C0236

内容説明

古代、中華文化の形成期に主役を演じたのは、周辺から入ってきた異民族の人々であった。以来、中華文化が多民族的性格をもって継承されていったため、中国は一貫して多民族国家であった。現在五五の少数民族が存在しているが、そこにはどのような問題があるのか、そしてその解決策は?伝統と開発、宗教、国際関係等から多面的に分析する。

目次

第1章 「中華」と異民族
第2章 漢民族国家という幻想
第3章 「少数民族」の空間
第4章 民族の宗教、宗教の民族
第5章 国際政治のはざまで
第6章 開発と伝統
第7章 多民族国家の課題

著者等紹介

王柯[オウカ]
1956年中国に生まれる。1994年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。専攻は中国近現代史。神戸大学国際文化学部教授。著書に『東トルキスタン共和国研究』(東京大学出版会)(サントリー学芸賞受賞)ほか
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

coolflat

10
前半、華夷思想と異民族の関係について解説している。本書を読む前段階として『天下と天朝の中国史 』を読んでおくと、理解の助けになる。6頁。古代中国の最高支配者は「天子」と呼ばれた。「徳」が「天子」としての最も重要な資格とされ、「天子」の「失徳」による王朝交代を正当化する「革命」の思想が生まれた。そしてこれと表裏一体であるが、異民族も「文化」の対象者であり、異民族も「天下」の一部であるという論理が、「中華文化」に生まれた。この二つの中華文化的考え方こそ、長い歴史の中で中国が多民族国家を形成する原動力となった。2017/01/19

Hatann

3
近代国家システムが国境線を引くことによって単位を創出することを前提とするため、国家内部の多民族性は避けえない現実であり、一民族一国家というのはファンタジー以外のなにものでもない。従い、少数民族保護の必要性も避けえない現実であり民主国家が無視しがちな分野である。少数民族問題には民族独立と民族間格差解消のふたつがあり、中国においても多くは後者の文脈で語られる。前者の問題を提起するにはそれなりの規模と歴史が不可欠だ。しかも、独立にとどまらずに別の隣国への事実上の併合を意味することも多く、解決は簡単ではない。2018/05/04

ぺおる

2
予習。日本におけるnationとethnic groupの混同に個人的興味。中国の「多民族」性を近代政治学説的な視点だけでなく古典や文化/歴史性から検討する、というあとがきは少し面白い。2020/10/03

疾風

1
日本は日本人中心の国家と呼ぶことは一応可能だが、中国を漢民族中心の国家と呼ぶことは決してできない。なぜなら言語や宗教、様々な面で特異な文化を持つ少数民族が、中国には50以上も暮らしているからだ。そんな多民族国家・中国が抱える問題やその解決策を探る1冊。 2020/05/28

くまくま

1
チベットやウイグルの独立運動の報道から、漢民族(中共)が少数民族を支配しているようなイメージを持っていたが、意外にも漢民族の文化を受け入れている少数民族は少なくないという。あくまで漢民族側からの見方であるため、他書とも比較したい。2018/09/17

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