内容説明
「万葉集にたどりついたとき、古い日本語というよりも、とても新しい文学に出会ったという不思議な感じがした」英語を母語としながら、日本語作家として現代文学をリードする作家の感性が、英語という鏡に古代日本語の新しい姿を映し出す。全米図書賞を受賞した名訳から選りすぐった約五〇首の対訳に、作家独自のエッセイを付す。
目次
序 天皇というアイデンティティ
1 ちいさな「くに」の雄大な想像力
2 イメージの醍醐味、それは「映像」に近い
3 世界第二の都市の、おおらかな「文明」
4 太子の嘆き。日本語の根元的な感情は伝わるのか
5 枕詞は、翻訳ができるのか
6 柿本人麿、世界の古代文学の「最高峰」
7 loveとは違った、恋の表現力
8 千三百年の比喩
9 山上憶良、絶叫の挽歌
著者等紹介
リービ英雄[リービヒデオ]
西洋出身者としてはじめての日本文学作家。1950年アメリカ生まれ。1967年はじめて日本に移り住み、以降、日米往還を繰り返し、その間プリンストン大学大学院博士課程修了、プリンストン大学・スタンフォード大学の日本文学教授を務める。1982年、万葉集の英訳The Ten Thousand Leaves:A Translation of the Man’y ̄osh ̄u,Japan’s Premier Anthology of Classical Poetryにより全米図書賞を受賞。現在東京に在住。著書に『星条旗の聞こえない部屋』(野間文芸新人賞、講談社文芸文庫)ほか多数
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