出版社内容情報
読書によってどんな力がつくのか? コミュニケーション力,人間理解力とのつながり,さらに,自分をつくり,鍛え,広げるプロセスとの関わりを見つめます.活字離れの時代に,本を読むことの本質的な意味を考えていく,待望の1冊.
内容説明
本を読むことの意味は何?案外答えにくい問いに、「読書によって…の力がつく」という形で考え、コミュニケーションの力、人間を理解する力との関わりを示します。自分をつくり、鍛え、広げることが、読書とどう結びついているかを述べて、あらためて読書の本質を見つめます。心に残るフレーズ、工夫の手がかりも満載です。
目次
序 読書力とは何か(「本を読む読まないは自由」か;読書してきた人間が「本は読まなくてもいい」というのはファウル ほか)
1 自分をつくる―自己形成としての読書(複雑さを共存させる幅広い読書;ビルドゥング(自己形成としての教養) ほか)
2 自分を鍛える―読書はスポーツだ(技としての読書;読み聞かせの効用―ステップ1 ほか)
3 自分を広げる―読書はコミュニケーション力の基礎だ(会話を受けとめ、応答する;書き言葉で話す ほか)
著者等紹介
斎藤孝[サイトウタカシ]
1960年静岡県生まれ。1985年東京大学法学部卒業。東京大学大学院教育学研究科博士課程を経て、現在、明治大学文学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
抹茶モナカ
440
適当に本を読み散らかしている僕としては、この新書のように、真面目に読書に取り組みたくなるのだけど、そんなに真面目に本を読むのは今の僕には難しいかな、とも思った。エンターテイメント系の本ばかり読んでいる身としては、ちょっと考えさせられた。真面目に読書に取り組みたくなる本。新書も読まねば。て言うか、そもそも本をもっと読まねば。2014/06/07
ehirano1
331
読書の効用として「代理体験」に数か所に渡り言及されていて、そういえば佐藤優氏も同様の主張であることも思い出し、印象に残りました。三色ボールペンも本書で登場します!総じて良書だと思います。2021/12/14
mitei
286
日本人は読書立国だったのかと気付かされた1冊。この本も私を読書好きに走らせた1冊w2010/02/13
月讀命
265
人間力を向上させる為には、様々な分野の偉い先生方とコミュニケーションし、彼らの思索や思想を享受する事が出来れば最良の方法だ。しかし、野口英世やマルクスとは生きた時代が違うので、会話する事は出来ない。我々庶民にとって、養老孟司さんやこの本の著者である齋藤孝さんとも、対話する事さえ不可能である。しかし、彼らの著作を読書をする事で、その著者を自宅に招く事が出来る。そして、熟読すれば彼らの思索や思想を享受する事が出来る。読書力をコミュニケーションの基礎としてを捉える事で、今迄知り得なかった新しい世界を体感出来る。2010/02/20
ヴェルナーの日記
262
読書を大別すると、娯楽とする読み方、自己形成のために読むという2つがあり、著作者は後者を支持している。読書とは、自己をつくり、自身を鍛え、自分を広げるツールとして活かしていこうという考え方だ。本を読んでみて、説得力のある内容であったけれども、何もそこまで、力む必要があるのだろうかとも感じた。自分の考えとして、読書とは食事のようなもので、読んだあとに自身が満足できるのであれば良いのではないかという気がする。それで、その本を読んだことで結果的に自身の栄養分にすることができれば、と言うのではダメなのか。2011/02/09