出版社内容情報
第2次大戦中,日本政府や企業によって行われた中国人強制連行を綿密な聞きとり調査や現場探訪によって描きだす.そして,これが決して過去のことではなく,我々の生活に深くかかわる現在進行形の問題であることを説き明かす.
内容説明
第二次大戦中、日本政府によって強制連行された中国人は日本国内だけでも一三五か所の事業場にわたる。それはどのようにして行われたのか?日常の暮らしの中から暴力的に引き離された強制連行を綿密な聞きとり調査や現場探訪によって描きだし、これが決して過去のことではなく現在進行形の問題であることを説き明かす。
目次
くらしの中から連行された人びと
中国人強制連行の政策と思想
中国人強制連行の現在(花岡の現場から;香港の現場から;河南省原陽・河北省石家荘の現場から)
中国人強制連行と私たち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
11
僕の母方のSじいさんは、中国人と一緒に働いたことがある。母から聞いたが、中国人は頭がいい、ということを口伝された。Sじいさんのように、独学で薬剤師に慣れるほどの頭はないが、日中関係を国家間ではなく、人間と人間の交流として再解釈しておく必要があると思う。強制的な拉致。北朝鮮からの拉致を知っているが、日本も中国に拉致したのだ。上松、三岳、王瀧の地図がある(28-29頁地図に135事業所の一部として提示)。Sじいは三岳か王瀧で中国人と働いたのだろう。外国人も原爆被爆は重い(107頁)。広島原爆投下に黙禱の日に。2013/08/06
モリータ
6
◆2002年岩波新書刊。著者は1953年生、阪大文学研究科教授(当時)。専門は文化交流史、ドイツ近現代史、日本・アジア関係史。◆「本書は、第二次世界大戦末期に行なわれた中国人強制連行について論じるものである。その際私は、次の二つのことに注意を払いたい。第一は、史実の解明に十分 配慮して全体像を理解してもらうことにつとめるとともに、その解明過程の中で私自身が体験してきたさまざまな出会いを通じて、自分の内側でどのような変化が生まれ、どのような問題に遭遇し、何を大切なことと考えるようになったのかという認識の(続2025/08/19
wei xian tiang
4
研究というより所謂「市民団体」に寄り添い馴れ合う立場。後半の文体は一層晦渋を極めるが、「強制連行そのものがいまの『日本』に関わり続けている」とのご主張。宮原、樺戸の囚人使役、常紋トンネルのようなタコ部屋、圧制ヤマのボッシュウ人、そうしたそもそもの奴隷労働状況を背景に置けば説得力を持ち得たかもしれないが。126p、愛読書の一つ「無縁声声」の平井正治が出ている。2014/09/22
根室
2
当時の被害者への聞き取り。どのようにして中国人は日本軍に捕獲されたか。彼らの戦後の苦難 語り継がれるべき記憶 2012/03/02
レレレコ
0
学生時代に読みました。付箋いっぱいはってあるけど まったく内容を覚えていない。