出版社内容情報
サラ金の広告ばかりが目立つどん底の日本.不況にあえぐ市民相手に超高金利で営業し,ひとり栄える消費者金融の実態を明らかにするとともに,個人再生法,自己破産など,多重債務からの救済措置をていねいに解説する.
内容説明
企業倒産件数が一万件に迫る、どん底の日本でひとり栄える消費者金融。一社の経常利益が千億から二千億、駅前やテレビ、新聞・雑誌にはサラ金の広告があふれる。預金金利の実に一四五〇倍前後という超高金利で営業している消費者金融の実態を明らかにするとともに個人再生法、自己破産など、多重債務からの救済措置をていねいに解説する。
目次
序章 身近な陥穽―消費者金融
第1章 深刻化する多重債務問題
第2章 繁栄する消費者金融
第3章 消費者金融と高利金融業者―実態と問題点
第4章 業者繁栄を支える社会
第5章 多重債務者救済への道
第6章 急がれる法律・制度の見直し
著者等紹介
宇都宮健児[ウツノミヤケンジ]
1946年愛媛県に生まれる。1969年東京大学法学部中途退学、司法研修所入所。1971年弁護士登録、東京弁護士会所属。以後、日弁連消費者問題対策委員会委員長、東京弁護士会副会長などを歴任。現在、全国クレジット・サラ金問題対策協議会事務局次長、地下鉄サリン事件・KKC事件・オレンジ共済事件被害対策弁護団団長、日栄・商工ファンド対策全国弁護団。全国ヤミ金融対策会議代表幹事
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
231
消費者金融について書かれた1冊。当時とは情勢は異なっているとは思うが、恐ろしいなと感じた。2015/12/06
壱萬弐仟縁
11
11年前の本。多重債務者は自転車操業(ⅱ頁)。先へ先へ行かないと、もうダメだ。破産理由のデータで、今の自分を円グラフ(13-14頁)に入れてみると、自分もパート・アルバイト、低所得、40歳代、10万前後のようなのにカテゴライズされてしまうのだな。実態は認めた上で、消費増税やTPPによるスタグフレーション対峙できるか。経済苦・生活苦の急増も自殺の原因(27頁)。自分も親が死んだらどうしたらいいか、と不安が増幅した。多重債務者は福祉行政で救済してほしい(104頁)。困ったら弁護士に相談、であるがお金はかかる。2013/08/06
ken
1
読みやすくはないけど参考に2011/07/26
ちやむ
0
今と比べて若干時代が違う感じはありましたが、タイトルどおり消費者金融の実態と消費者の救済についてわかりやすく説明され、今後取るべき対策も明確にされ、消費者金融を理解するのに大変参考になりました。あと著者は、今真っ最中の都知事選に出馬予定でしたから、選挙戦でどういった主張を訴えるのか、興味があったので、出馬取りやめは個人的には大変残念でした。2016/07/21