出版社内容情報
西遊記は一見,荒唐無稽な作品と思われがちだが,はたしてそうだろうか.西遊記の極度に論理的な世界に注目した著者は,五行,易,錬金術等の思想を基に,玄奘をめぐる図版資料を駆使して,その壮大な仕かけを解き明かす.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ikedama99
8
職場の図書館から借りた本。岩波文庫の「西遊記」を訳した方の本だった。物語としての「西遊記」は岩波文庫のもの以外もいくつか読んだ。だが、きちんとした形で読んだ「西遊記」の裏には、このような複雑な構造が隠されているのにびっくり。魅力あるキャラの性格付けだけではなく、回数にも仕掛けがあり、物語にも対称性のしかけがあるときては、その複雑さに驚く。道教の考えもあるので、方角なども絡んできている。物語一つの裏にこれだけの構造をもたせるのは、やはりグループで作ったに違いないと思う。2020/01/12
ヨクト
8
岩波文庫の訳者だからこそたどり着いた西遊記の極致。知らなくても楽しめるが、知ればさらに面白くなることうけあい。数字や話数に秘められた意図や構成に感心した。やはり長い年月をかけて作られた名作はひと味もふた味も洗練されているのだ。2018/07/15
GEO(ジオ)
4
西遊記と数字の関係、三蔵法師は何故、妖怪どもから狙われるのかなど、なかなか面白かった。2014/06/20
そうげん(sougen)
3
再読。全百回の物語。どの話数でその話が展開されなければならなかったか、綿密に計算されていたんですよということを解説されてました。あるいはすべての卦(六十四卦)と話が対応しているのかもしれない。そうではないのかもしれない。そうであるかもしれない、と思えるだけで、西遊記本体の幻想味が増すように感じられました。2021/04/08
活字の旅遊人
3
すごい世界とその分析。繰り返しにも意味があったんだね。この当時中学生だったという田中先生の訳を読みたいです。
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- 和書
- 四季 〈冬〉 講談社文庫