岩波新書
子どもの社会力

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  • サイズ 新書判/ページ数 213p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784004306481
  • NDC分類 371.45
  • Cコード C0237

出版社内容情報

いじめや学級崩壊などの根本的原因は何か.他人への愛着・関心・信頼の喪失に焦点をあて,人と人がつながる力,社会を作る力としての「社会力」の意味と重要性を明らかにして,大人の役割や地域の実践の在り方を訴える.

内容説明

「いじめ」「学級崩壊」など、子どもたちをめぐる深刻な状況の根本的原因は何か。他人への愛着・関心・信頼が失われていく背景を追うことで、著者は「人と人がつながる力」「社会をつくっていく力」としての「社会力」の意味と重要性を示し、成長過程で必要な大人の働きかけや、「冒険遊び場」といった地域での実践を訴える。

目次

1 子どもの育ち方にどんな異変がみられるか(初語の遅れと発育の乱れ;活動量の低下がもたらす無気力化 ほか)
2 社会を成り立たせる人間の条件とは何か(もたれあい関係としての社会と人間;社会的相互行為を可能にする条件 ほか)
3 ヒトの子の社会力はどのように形成されるか(高い能力をもつヒトの子;ヒトの子が備えた相互行為能力 ほか)
4 子どもの成育環境はどう変わったか(変化した家庭環境と家族機能;失われた地域のコミュニティ機能 ほか)
5 子どもの社会力をどう育てるか(「子どもを育てる」とはどういうことか;子育てする大人の責任とは何か ほか)

著者等紹介

門脇厚司[カドワキアツシ]
1940年中国・青島市に生まれる(山形県出身)。1970年東京教育大学大学院教育学研究科博士課程修了。専攻は教育社会学、青少年文化論。現在、筑波大学教育学系教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佳音

88
先見性あり。社会力を育てなさいという警鐘は今に生きている。著書の中で、いじめと地域性について触れているが、その関連を社会学的に偏るのは危険だと考える。スクールカーストを考えつつ思考するのがバランスとしてベターか。変わらぬ名著だが、さすがにSNS関連については古い。また子どもの貧困については時代的に触れていない。2017/01/31

ゆう。

25
1999年初版。本著でいう社会力は主体的に社会を構成し、運営し、改革していく能力と日常的な活動を含めた概念です。一人ひとりが社会のなかで輝けるためにはどうすればいいのか、社会力をキーワードに考えることができる本でした。人間は社会的な生き物であり、他者との相互行為をすることで発達し合う関係なのだと思いました。学ぶことの多い本でした。2017/04/13

MIHOLO

17
1997年に書かれた本なのに、多少の違いはあるけど、今、問題提起されてることとほとんど変わってない。しかも悪くなってる気もする。まずは大人の社会力を底上げする必要があるのでは?2016/05/02

テツ

16
「こいつガキの頃から友達がいなくて人間関係の面倒臭さのやり過ごし方を学ばなかったんだろうな」と感じてしまう方に出逢う機会ってわりと多いけれど、そうした能力を持たない(持てない)人間がどうやって形成されていくのかということについて。メシの種になる特殊な才能がない限りは最低限の社会性って生きるために必要不可欠な能力だし、それを育めないこどもを放置することは結局社会にとって大きな損失になると思う。ガキのうちに群れへの所属は結局トータルでは自分の利益になるという身も蓋もないことを体感させるしかないんだろうな。2021/09/27

しんえい

7
同僚に貸していただいた。根拠部分に筆者の恣意を感じないこともなかったが、主張には共感できた。 子どもたちの社会力と社会の社会性を高めるためにどうすれば良いのか。ヒトが幼い頃から環境との相互作用、他者との相互行為を繰り返す必要がある。それは言語のみに限らない。とりわけその地域に対する愛着をベースとしたコミュニティを大切にしつつ、子どもたちは世界と関わる中で社会力を育み、結果的に社会性が醸成されてゆく。この過程の中に、学校教育はどのような役割を担うべきなのか。「開かれた学校」の実現がより一層必要になっている。2020/05/03

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