出版社内容情報
地球環境の破局を避けるために,技術に何ができるか.省エネ自動車や太陽電池の可能性などを検討し,エネルギー効率3倍増,自然エネルギー2倍増をめざすビジョンを提出.地球を持続させる完全循環型社会への道すじを示す.
内容説明
地球温暖化、化石資源の枯渇、廃棄物の大量発生―破局が待つ地球の近未来に対して、技術には何ができるのか。四分の一のガソリンで走る自動車や五倍の効率のエアコン、太陽電池の可能性などを検討し、二〇五〇年までにエネルギー効率三倍増、自然エネルギー二倍増をめざすビジョンを提出。地球を持続させる完全循環型社会への道を示す。
目次
第1章 地球は持続できるか
第2章 エネルギーを知る
第3章 省エネルギーはどこまで可能か
第4章 「日々のくらし」の省エネ技術
第5章 「ものづくり」とリサイクル
第6章 自然エネルギーの導入
第7章 地球を持続させるために
第8章 技術は社会とどう向き合うか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吟遊
12
日本のサステナビリティ学の原点となった本。いまよりも(同じ著者で比較しても)エネルギーの数値化、理論値と実際の値を計算しながら、効率を求め、対策を考える姿勢は、かなり技術論寄りに思える。いまはもっと、幅広くケーススタディや倫理、世界のSDGsの動向などを含めて「文系」的に考えるのではないかな。2018/03/29
sk
5
工学博士がエネルギー効率や省エネ技術、リサイクルなどについて説明する。理系の理論的な知識が背景にあり、説得的である。環境問題の解決に工学的発想がここまで行かされるとは思わなかった。2016/07/08
しんしん
5
1999年の本。 統計に基づく予測から、持続可能社会のビジョンを提唱している。 輸送や発電などの個々の要素技術の改良と要素技術の組み合わせにより達成できるとしている。2016/04/10
isao_key
3
エネルギー資源の有効的な利用や代替エネルギーの可能性など、今後の世界におけるエネルギー戦略について書かれた本。1999年12月出版と、14年経過しておりデータや技術革新により当時とは大きく異なった部分も多い。だが基本的な考え方は変わっていないと思う。その意味では一からエネルギー資源についておさらいするにはいい本である。火力発電から酸性雨の原因となる硫黄酸化物放出量や、セメントを作り出す際に消費するエネルギーを世界各国と比べても日本の環境への配慮はトップである。もっと技術力を売り込むことを強化すべきでは。2013/04/17
のび
2
東大総長を務め、現在は三菱総合研究所理事の小宮山先生が1999年に書かれた本。16年前に書かれたとは思えない、見事に先を見据えた内容。僕が専攻した化学工学がもとになっていることもあって、僕にとって自分の知識とマッチしていました。そうはいっても専門用語はほとんど使われておらず、読みやすい内容だと思います。今読んでも違和感のない、これからの日本の行く末を考えさせるような一冊です。2015/12/27
-
- 和書
- 核酸構造 〈上〉