出版社内容情報
さつま芋はムスのかフカスのか,フンケイの友とはどういう関係か,口腔はコウコウかコウクウか,スッパダカとマッパダカはどう違うのか…….何げなく使われる日常の話しことばに鋭い考察と緻密な分析を加えて,意味の構造,話しことばのゆれ,言語変化のゆくえなど,日本語について話し手のひとりとしてさまざまな角度から論考する.
内容説明
さつま芋はムスのかフカスのか、フンケイの友とはどういう関係か、口腔はコウコウかコウクウか、スッパダカとマッパダカはどう違うのか…。何げなく使われる日常の話しことばに鋭い考察と緻密な分析を加えて、意味の構造、話しことばのゆれ、言語変化のゆくえなど、日本語について話し手のひとりとしてさまざまな角度から論考する。
目次
1 人間(自分のことばに返る;無視できない話者語源;全国語・みやこ語・共通語;長くない外来語の長音;学術用語の課題は日本語の課題;索引はよく間に合うガイド)
2 言語(味覚・料理のことばの二角柱;オノマトペの宮沢賢治;桃太郎の日本語;清少納言の「春はあけぼの」;高利と小売りは違うぞなもし;符牒はどこまで隠語か)
3 変動(目立たないアクセントを目ざす;複数回答に時間的変化を見る;折れ曲る十代のことば)
著者等紹介
柴田武[シバタタケシ]
1918年名古屋市に生まれる。1942年東京大学文学部言語学科卒業。専攻は言語学。現在、東京大学名誉教授
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
29
「なぜこのような用法があるのか」から始まる言語学入門書。普段何気なく使っていることばでも、見つめ直すととても不思議。たとえば助詞の使い分けは誰でもできることだけれど、その定義を言語化しようとするととたんに難しくなる。なるほど、日本語はおもしろい。2015/01/16
近衞孝親
2
非常に面白かった。方言に関しては、非常に充実した内容になっていると思う。索引に関する項目はもう少し掘り下げて検証して欲しかった。2013/03/13
よみにゃん子
2
確か大学入学時の課題読書本でした。といっても決して堅苦しくなく、日本語学に関する豆知識が満載でわかりやすい内容でした。自分の興味のある分野を探し出すには丁度良い、日本語学の入門書のさらに入門書といったところです。
Akiro OUED
1
パーティーという外来語を日本語で主流の平板アクセントで発音することで、二つの意味を持たせた。フォーマルとカジュアル。確かに面白い。政治屋の密室談合を平板アクセントで「デート」と表現しても、気味が悪いだけだがね。SNSの文字表現にアクセントを取り込めれば、誤解が減るかもね。2021/06/11
近藤こたつ
1
柴田武著『日本の方言』が面白かったので、同著者の新書を買ってみた。日本語話者として日本語のことを考えるとのはおもしろい。柴田さんの本は特にまとまっていてわかりやすい、読みやすいから好き。2019/05/02