岩波新書<br> 都市計画―利権の構図を超えて

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岩波新書
都市計画―利権の構図を超えて

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  • サイズ 新書判/ページ数 244p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004302940
  • NDC分類 318.7
  • Cコード C0236

出版社内容情報

住宅地に突然高いビルが建った.続いておこる日照の悪化,地価の高騰,住民の流出…….町の破壊は日々「合法的」に繰り返されている.都市計画のカラクリをときほぐすなかから見えてくる政官財癒着の構図,それに対する自治体の「反乱」を描き,町を市民の手に取り戻すための方策を示した本書は,日本社会の改造を迫る最も鋭い刃となろう.

内容説明

住宅地に突然高いビルが建った。続いておこる日照の悪化、地価の高騰、住民の流出…。町の破壊は日々「合法的」に繰り返されている。都市計画のカラクリをときほぐすなかから見えてくる政官財癒着の構図、それに対する自治体の「反乱」を描き、町を市民の手に取り戻すための方策を示した本書は、日本社会の改造を迫る最も鋭い刃となろう。

目次

序章 すすむ町や自然の破壊
第1章 都市計画のしくみ
第2章 アメリカの都市計画
第3章 総合開発計画と都市
第4章 都市、政治、そして法律
第5章 都市と政官財複合体
第6章 自治体の反乱
第7章 都市計画を市民の手に

著者等紹介

五十嵐敬喜[イガラシタカヨシ]
1944年山形に生まれる。1966年早稲田大学法学部卒業。現在、弁護士

小川明雄[オガワアキオ]
1938年東京に生まれる。1961年東京学芸大学英語科卒業。同年AP通信社入社。その後、朝日新聞社に移り、アジア総局、アメリカ総局勤務を経て、外報部次長、論説委員、国際編集部編集委員。現在、ジャーナリスト
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

103
最近のオリンピックの競技場を作るに際してもかなり利権というものがうごめいている気がします。また列島改造の時代のような時が来るのでしょうか?この本はその都市計画についてかなりな正論を書いてくれています。ここに書いてあるようなことをしたら政治家や土建屋はもうけが少なくなるといっておこるのでしょうが、少しはまじめに考えてもらいたいと思います。最近は地方の大都市周辺に人口が集まり、同じ県でも過疎地域と人口密集地が分かれているようです。国が率先して首都機能移転を考える時期に来ているのでは?2016/01/11

佐島楓

28
どうして日本の各都市がこれほど乱開発されてきたか、その一端が理解できた。都市「計画」といえど景観や環境の保全より利権が優先され、うまい汁にありつこうと群がる企業、政治家との癒着、それに対する地方自治体の反発などが書かれている。古い本なので現在は状況が変わっているかもしれないが、この視点で問題を考えることができてよかった。2014/05/09

くらひで

4
今から20年以上も前の著書で、法令も社会的・経済的環境も大きく変化している。利権・既得権益を守ろうとする政官民の「鉄のトライアングル」構造が、住民不在の都市計画を推進する元凶となっているという著者のジャーナリスティックな主張はわかりやすいが、度が過ぎると、逆に引いてしまう。バブル経済が崩壊し、「失われた20年」を経て、幾多の法令改正・構造改革がなされ、地方分権と地方中心市街地の衰退、都市再生政策。まちづくりは多少住民の身近になったものの、私的財産権を盾に権利主張しすぎる風潮に懸念を感じる。2014/04/25

Nさん

3
1993年刊行。日本での乱開発・土地投機の要因は何か?そのメカニズムを解説。ポイントは「容積率」と「中央集権」。容積率の緩和は金の成る木だ。誰もが自分の土地の価値が倍々に膨らめば目の色も変わる。土地の高度利用という名目の下に、地価は高騰し、地域の住民が追い出され、商業施設・高層マンションなどが建設されてきた。「都市計画法」という中央集権との親和性の高い法律が、地方のまちづくりを阻害してきた。自治体も議会を通し、独自の「条例」で対抗する。民意という下からの正当性を発揮する為にも、地方分権が必須となる。2020/03/18

kaizen@名古屋de朝活読書会

3
弁護士と新聞社勤務の2人の記述。現象。法律について記述。経済基盤に言及していない。制度が政治的な取引から生じるか。経済的な要因が,民、官にもあると仮定。事業を実施するのに官にお金がなければ民が実施するように誘導。現象だけ捉えていると本質的なところが抜ける。貴重な情報を提供。個人,官の経済的な要因を洗い出すとよい。国の施策は土建業界とシンクタンクの発案と言われている。都市計画を公募するのはどうか。実情紹介は有益だが、打開策はどうなのだろう。利権の構図を超えるのだから、新しい絵を提案するのではないのだろうか。2012/07/05

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