岩波新書<br> 紅衛兵の時代

岩波新書
紅衛兵の時代

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  • サイズ 新書判/ページ数 211p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784004302223
  • NDC分類 222.077
  • Cコード C0229

出版社内容情報

一九六○年代後半,中国の若者を熱狂させた紅衛兵運動は,いまや全面否定されるに至っている.しかし,そもそも彼らは何に反発し,いかなる理想を抱いていたのか.「紅衛兵」という名称の生みの親であり,運動初期のリーダーでもあった著者の体験と思索の遍歴から,文化大革命に激しく揺れ動いた時代の中国の姿が鮮やかに浮び上がる.

内容説明

1960年代後半、中国の若者を熱狂させた紅衛兵運動は、いまや全面否定されるに至っている。しかし、そもそも彼らは何に反発し、いかなる理想を抱いていたのか。「紅衛兵」という名称の生みの親であり、運動初期のリーダーでもあった著者の体験と思索の遍歴から、文化大革命に激しく揺れ動いた時代の中国の姿が鮮やかに浮び上がる。

目次

第1章 60年代の青春
第2章 紅衛兵の誕生
第3章 全世界を震撼させる
第4章 山河と牢獄
第5章 時代に別れを告げて
第6章 青春の長い影

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

BLACK無糖好き

10
著者は、中国の文化大革命で大衆運動の中心となった紅衛兵の名付け親で、紅衛兵の開祖でもある清華大学附属中学紅衛兵の創始期のメンバー。本書は著者自身の活動を振り返る個人史に近い。雲の上で威張り返っている官僚の頭を下げさせ、不公平極まる特権をぶち壊し、紅衛兵は中国人民と官僚体制との大衝突の火花になればよいと言う著者も、「上山下郷」で内モンゴルに行き底辺の民の生活を経験してから、最後には出身回族のジャフリーヤ教徒に帰って行く。紅衛兵の罪業を背負いながらの著者の内面の葛藤に中国の苛烈な歴史の一端が垣間見える。 2016/04/07

崩紫サロメ

8
中学時代に紅衛兵を設立し、その名付け親となった著者の回想。この人、後にイスラームに帰依し、そちら方面で先に知ったのでかなり驚いた記憶がある。日本では中公新書から『回教から見た中国』と本書が比較的読みやすいものとしてある。本書の中で共産党が階級意識を強め、官僚的になっていくことを嘆いており、後に関わる中国イスラム協会もまた官僚色を強めていきそれに抗っているところを見ると、著者の紅衛兵時代とムスリム時代はやはり一本につながっていると感じる。2019/12/03

kinkin

5
文化大革命時代の中国内部事情は、情報が統制されていたためこの本で紅衛兵とは何だったのか、文革とはというこについて少し知ることが出来た。2013/11/25

にゃん吉

3
著者は、初期から紅衛兵運動に身を投じ、紅衛兵の名称の名付け親となり、その後作家となった人。本書は、紅衛兵運動の回想録的なもので、著者自身が、当時、直接見聞きしたことと、他の関係者の回顧録やインタビュー等の若干の引用により、紅衛兵運動に関する事実経過が叙述され、あわせて、紅衛兵運動に対する評価が叙述されています。本書から、紅衛兵運動、ひいては文革の全体像を捉えることは難しいとは思われますが、著者が実際に見聞きしたことに絞って叙述されていることで、むしろ、当時の状況が生々しく伝わってくるものもありました。 2021/08/01

niconico

2
「過ぎ去った出来事から私が学んだのは、わずか十七、八歳の若者たちも歴史を創り出しうる、ということだった。そのなかから、若い世代が教訓と栄養を吸収し、熱情と誠実さを備え、行動を恐れぬ人々になって欲しいと思う。」(「はじめに」より)2010/08/15

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