出版社内容情報
様々な色彩の現象は実は心の働きによる。ゲーテ以来の色彩論から現代のカラー心理テストまでをとりあげる。
内容説明
同じ大きさでも、白い円は黒い円よりも大きく見える。赤いネオンは近くに、青いネオンは遠くに見える。また同じ柄でも配色の具合によって、うける印象はまったく違う。こうした色彩の現象は実は心の働きによる。本書では、ゲーテ以来の色彩論から現代のカラー心理テストまで、色に関する様々の事象をとりあげ、色彩心理学の世界を描く。
目次
1 明暗の視覚
2 ゲーテの色彩論と色彩心理学の視点
3 色は色を呼び起こす
4 シュヴルールから印象派へ
5 色の現象する世界
6 色の感性的心性的作用
著者等紹介
金子隆芳[カネコタカヨシ]
1928年東京に生まれる。1952年東京文理科大学卒業。専攻は心理学。現在、筑波大学名誉教授、文学博士、元日本心理学会会長
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
24
1990年発行。ゲーテの色彩論をベースに(当時の)色彩心理学の概要を書いた一冊。やはり、30年近く前の色彩心理学研究だと目新しい知識はなく、いま同じテーマで本が書かれたらもっとコンパクトにまとめられてしまうようなボリュームくらいしかないかと思う。ゲーテの色彩論を持ってくることで色彩についての考え方の時代の変化も考察しているので興味深かった。個人的にだまし絵は好きなのでもう少し踏み込んで調べたくなった。2025/03/20
Emperor
2
大学でちょっとだけかじった色彩心理学。心理学っていうか色彩論が中心?難しい。ギブアップ(笑)2016/04/10
cracra
1
ニュートンの物理学的客観的色彩論(他人事)に反する、ゲーテの現象学的主観的色彩論(自分事)。2010/08/14
すがし
1
文化論としての色彩についての話を期待していたので、ちょっと求めていたものと違った。一般的な内容ではないと思うが、話は面白いと思う。2009/10/17
ふじこ
0
思っていたのとは違い、ゲーテの「色彩論」から考察した重厚な感じのもの。科学系の基礎知識のない私にとってハードルが高かった。難しくて理解できなかった。2016/07/08