出版社内容情報
日本のコメと農業はいま,市場開放を迫る内外からの風圧の下で,文字通り瀬戸際に立っている.コメの価格をどう見るか.輸入の自由化は何をもたらすか.農業への保護をどう改革するべきか――.世界の食糧事情から日本人の食生活や農村の変貌まで,今日のコメ・農業問題の構造を多角的に明らかにし,安易な自由化論に警鐘を鳴らす.
内容説明
日本のコメと農業はいま、市場開放を迫る内外からの風圧の下で、文字通り瀬戸際に立っている。コメの価格をどう見るか。輸入の自由化は何をもたらすか。農業への保護をどう改革するべきか―。世界の食糧事情から日本人の食生活や農村の変貌まで、今日のコメ・農業問題の構造を多角的に明らかにし、安易な自由化論に警鐘を鳴らす。
目次
1 世界コメ生産の構造
2 コメ戦争をめぐる現実
3 自由化の嵐とコメ・農業論議
4 保護と自由のはざま
5 食生活から見たコメと農業
6 日本の稲作をどうするか
7 食管・農協・地域政策
8 文明史の中の農業
文献一覧
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
83
図書館本 コメという植物そのものよりもコメを支える農業政策が主な内容。 今更ですがココムというワードを本書で初めて知りました。アメリカとタイの貿易摩擦の存在も本書で初めて…。 食糧って足りなくても問題ですが余ったら余ったで貿易摩擦の原因になるのだとか…。割りを食うのは安い輸入農作物に押される農家の皆様と消費者。日本の農地は効率的に農作業しにくいというのもハンデ。2021/12/14
壱萬弐仟縁
10
バブル期の本。この頃、中山間地域概念が登場した。当時はGATT。今はTPPだな。牛肉・オレンジ輸入自由化が原点で、今では、TPPの21分野の自由化が迫られる。そして、TPPでは密室で情報不足、なんてのは、最初からわかりきっていたのである。「健康な地域」(118頁)という表現はいいですね。健康な住民、健康な家庭人なくして、健康な地域人による地域づくりはできないだろう。安藤昌益『純道真伝』が紹介され、「人間は米粒から生まれる」(124頁)との説明は面白い。発想がいい。今では米粉パンだもんな。時代は変わった。2013/08/08
Mt. G
0
時代的な古さ(1989年刊行)も感じられるが、「コメ」を包括的(構造的)に捉えようとする視点は学ぶところ多し。 要点:「一定最小限の農業維持(アグリ・ミニマム)と商工業活動に対する一定の歯止めや規範(インダス・マキシマム)が必要である」p1782015/07/01
丰
0
Y-112000/03/07