出版社内容情報
東西の古い文献には日食・星食・流星・彗星などの数多くの天文記録が載せられている.今日,複雑な天文学的計算によって当時の状況を再現してみると,それらの記述が正確であるかどうかがわかる.著者は数々の記録の一つ一つを計算で確かめ,そのなかから興味深い話題を選びだし,昔の人たちが見た星空の世界へ読者を誘う.
内容説明
東西の古い文献には日食・星食・流星・彗星などの数多くの天文記録が載せられているが、複雑な天文学的計算によって当時の状況を再現してみると、それが正確であるかどうかがわかる。著者は数々の記録の一つ一つを計算で確かめ、そのなかから興味深い話題を選びだし、昔の人たちが見た星空の世界へ読者を誘う。
目次
1 星月に入る―星食
2 日蝕え尽きたり―日食
3 歳星〓を犯す―惑星の合犯
4 『明月記』の客星―超新星の爆発
5 光り物―流星と隕石
6 ハレー彗星―その二千年の履歴
7 南極老人星―カノープス
8 シリウスはむかし赤かったか
9 ガリレオ衛星は中国で発見されていたか
10 科学の黒船―金星過日
11 黒い太陽―本邦初のコロナ観測
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kuroma831
28
古天文学者による、様々な古典の中に登場する天文事象の記録が実際にあったのかの分析。重版が話題になったので読んでみたがめっちゃ面白かった。主に日中の古典に記された日食や月食、星の動きなどの記録を、現代天文学の計算で検証していくプロセスが非常に面白かった。やはり中国の歴史家の記録に対する執念は凄い。二千年以上前から中国では日食や月食の周期予測をしていたという驚き。暦法を輸入した奈良時代の陰陽家も頑張って予測していたものの精度は低く、日食を大量に予報して外れたら祈祷のおかげとするムーブは笑ってしまった。賢いな。2025/12/18
へくとぱすかる
23
記録の少ない古代の人々も、天文については、割と記録を残している。占星術が、古代人にとっては現代人よりはるかに重要であった、ということだろう。コンピュータ計算や天体の運動理論の進歩は、星の古記録を検証するのに十分な発達をとげている。日食といえば、おととしの金環食を思い出すが、中国の「書経」「春秋」などに記録された日食の、正確さや真偽をめぐる議論には興味がつきない。超新星の方では、現在ベテルギウスが話題の中心だが、果たしてどうなるだろう?2014/02/28
maito/まいと
17
600年代から、いやもっと昔から星を見上げてきた日本人と世界(主に中国)の星の記録をまとめた一冊。いわゆる国家公務員として仕事で毎日天体記録をしていた古代から、星の運行の検証がされていく江戸時代、そして世界的プロジェクトの観測地点として突然選ばれた明治時代。決して観測精度が高かったわけではなく、意図的な記録もあったけれど、間違いを恐れず見たままを記録し、後世にバトンをつないだ成果に胸が高まる。そして今なお「理論上できる」仮説の実証を続け、そのために世界中がタッグを組めることに、大きな可能性を感じる。2026/05/09
さとうしん
16
日食や流星、超新星の爆発など、日本と中国を中心に古今東西の天文記録と実際の状況を照らし合わせていく。「杞憂」の話と流星との関係、日蓮の受難と天体の異変、実際には赤くないシリウスが東西の記録で赤いとされていた謎などはなかなか面白い。終盤は近代日本における天体観測の試みこぼれ話といった趣になっている。2026/01/30
かもすぱ
14
1982年刊。古文書、古文献から星の記録を抜き出し、星の運行を計算し検証する。日食や惑星の合・犯など。最終章は明治日本の金星日面通過観測の国際プロジェクトでてんやわんやする話で、他の章と毛色が違うけど面白かった。古い記録は時に権力者への忖度から記録が盛られていたり、平安時代の陰陽寮の「計算上日蝕になるか半々くらいの日があるけど、蝕で予想しといて外れたら「良い治世で触が回避されました」ということにすればいい」みたいな話が面白かった。古い天文イベントの記録がある程度正確に残っているのは豊かなことだなと思った。2026/04/14




