岩波新書
星の古記録

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  • サイズ 新書判/ページ数 210p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004202073
  • NDC分類 440
  • Cコード C0244

出版社内容情報

東西の古い文献には日食・星食・流星・彗星などの数多くの天文記録が載せられている.今日,複雑な天文学的計算によって当時の状況を再現してみると,それらの記述が正確であるかどうかがわかる.著者は数々の記録の一つ一つを計算で確かめ,そのなかから興味深い話題を選びだし,昔の人たちが見た星空の世界へ読者を誘う.

内容説明

東西の古い文献には日食・星食・流星・彗星などの数多くの天文記録が載せられているが、複雑な天文学的計算によって当時の状況を再現してみると、それが正確であるかどうかがわかる。著者は数々の記録の一つ一つを計算で確かめ、そのなかから興味深い話題を選びだし、昔の人たちが見た星空の世界へ読者を誘う。

目次

1 星月に入る―星食
2 日蝕え尽きたり―日食
3 歳星〓を犯す―惑星の合犯
4 『明月記』の客星―超新星の爆発
5 光り物―流星と隕石
6 ハレー彗星―その二千年の履歴
7 南極老人星―カノープス
8 シリウスはむかし赤かったか
9 ガリレオ衛星は中国で発見されていたか
10 科学の黒船―金星過日
11 黒い太陽―本邦初のコロナ観測

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

23
記録の少ない古代の人々も、天文については、割と記録を残している。占星術が、古代人にとっては現代人よりはるかに重要であった、ということだろう。コンピュータ計算や天体の運動理論の進歩は、星の古記録を検証するのに十分な発達をとげている。日食といえば、おととしの金環食を思い出すが、中国の「書経」「春秋」などに記録された日食の、正確さや真偽をめぐる議論には興味がつきない。超新星の方では、現在ベテルギウスが話題の中心だが、果たしてどうなるだろう?2014/02/28

海星梨

5
タイトルを『星の古(降るとかけてるんだなハハァン)記憶』と勘違いしており、何度かOPACにはじかれる事故が。藤原定家ってただ歌集をまとめた人じゃねぇんだと。惑星の古い名前とか魅力的だった。2020/08/21

もだんたいむす

4
天体知識がないと読みにくい感じ。『明月記』の超新星爆発に関して書かれた話に興味を持ち購入したが、そこまで触れられておらず残念。ただ、星が起こす自然現象が知識が無ければ神的な話で処理され、時代が下りその自然現象の理由が分かればそういうモノとして処理される感じの話は面白かった。2022/06/05

amanojaku_

4
『呪の思想』で紹介されていたので、面白そうだと思って手に取った。古天文学という学問があって、古文書に出てくる星食・日食・惑星合犯の記録を調べて検証する。ロマンチックだ。超新星は殊に人気で、日本のアマチュア天文家が英文の雑誌に投稿したことで、欧米各国が、こぞって自国の古記録を調べたというのが愉快だった。それにしても、中国の星の古記録は、古さといい頻度といい、群を抜いている。ヨーロッパなんかお呼びじゃない(日本はまあまあ)。楽しい本だった。2011/12/05

山像

3
前半は「何々という星と星とが接近した」という記述を歴史資料から丹念に拾い上げていく散文的な話。後半(明治時代以降)は観測精度と資料点数の増大もあってより詳細な科学者ドキュメンタリーのような風情に。 で、前半部分が圧倒的に面白かった。天体の軌道計算と歴史資料の読解という大きく隔たった学問領域が合わさって“過去が復元される”ことのカタルシス。例えば資料の筆写ミスだとか、「予測しなかった日食が起きるよりは予測して起きない方が言い訳が効き易いので日食予測が乱発される」という人間真理的な側面が明らかになる。感動的。2015/02/18

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