出版社内容情報
ガンをおこすウイルスがあることはすでに知られていたが,最近,このガンウイルスをめぐって興味深い事実が次々と明らかにされた.何億年も前からさまざまな動物と共存し進化してきたこと,細胞の遺伝子の中にもぐりこんでガンや突然変異をおこすことなどである.最新の分子生物学の成果に立って,ガンウイルスの実態を解明する.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
philadelphiro
2
32年ぶりに読み返した。1981年の本であり、まだC型肝炎もAIDSの存在も知られていないころの岩波新書だが、驚いたことに古くないのである。立派な本であると感心した。32年ぶりに読んでみて、ようやく小生の理解が追いついたということなのだろうが、一見平易に書かれているが、実は奥深い本なのであろう。32年の歳月を耐えて充分生き残れる書物ということは、執筆時に余程吟味して書いていいことと、あやふやなことを弁別したのだろう。正直、本当に勉強になって感謝している。畑中先生はご健在でなにより。2013/03/13