感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
天婦羅★三杯酢
2
漱石などの作品には結構軽業やら女義太夫の話が出てくるが、これらはもう絶えて聞くことが無かった。明治の頃の庶民がどのような芸能をたしなんでいたのか、教えてくれるものはそんな文学作品の中の断片くらいである。そういう意味では、この本は歌舞伎落語など今も確固たる人気や地位を誇る芸能もさることながら、殆ど聞くことの無い壮士芝居や琵琶生人形など今まで聞いたことの無い分野に関しても教えてくれる。にしても、歌舞伎や落語が結構えげつない方法で今の地位を確立していたのは驚きである。2020/04/23
AKa
2
個人的な研究テーマである『団団珍聞』の明治10年代後半は、自由民権的な社説・投稿が減り、それと入れ替わるかのように大相撲(番付表が載ったりもする)や「演劇改良」に関するものが見られるようになるが、その理由がようやくわかった。明治の新聞雑誌を読むにあたって、娯楽に関する記事や投書に出くわした時に「引く」用途で使うことがありそうである。2019/03/02