出版社内容情報
人間をはじめすべての生物に共通する生命は,化学の立場から見るとどうなるか.代謝,成長,増殖などの生命現象には必ずその基盤に化学反応があり,また生命の誕生にいたる進化にもさまざまな化学反応がある.生化学者たる著者は生命とは何かを問い,生命の特性を一つ一つ解き明かし,生命の起源,宇宙生物学,生命の合成に説きおよぶ.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
茶幸才斎
2
生物の特徴を「正常な特異的な構造の積極的維持」と捉え、素材としてのタンパク質や核酸、酵素とATPの働き、セントラルドグマ、生物進化以前の化学進化などについて書いてある大変古い本。興味深いのは、生物学を単なる地球生物学ではなく、より汎的な宇宙生物学の域まで高めたいとする筆者の願望である。そのために一つ助言をすれば、我々が普段生き物と認識している多細胞生物個体はすべて、粘菌で云う子実体に当たる生活環上の構造体に過ぎず、地球型生物の本体(本流)は、一倍体ゲノムを持つ胞子や生殖細胞などの細菌様単細胞構造体である。2014/05/07
takao
1
ふむ2017/05/14
平田まめきち
0
生化学の立場からの生命の考察。いまでは当たり前となっているDNAの構造や遺伝の仕組みなどが明らかになってきた時期に著されたものであるので、生命科学の展望に関する大きな期待に満ちている本だと思う。知識の面ではもう古いけれど、学問の構想や研究の姿勢においてこういう本は読み返される価値があるんじゃなかろうか。そういう意味で現在から見るとだいぶ古い啓蒙書なのだけれど、ぼくは好き。2012/03/11
丰
0
Y-202000/03/11
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