出版社内容情報
人の一生の折り目や自然とのかかわりの中で出会う種々の災厄に対応して,さまざまな神仏が生みだされる.産神,山の神信仰,厄払いのお詣り,さらには合格や商売繁昌の祈願,道祖神の祭り等々.日本人の日常生活の中で生きつづけてきた民俗信仰の多様な姿を描き,そこに表われてくる伝統的な宗教意識を探った民衆精神史の試み.
内容説明
人の一生の折り目や自然とのかかわりの中で出会う種々の災厄に対応して、さまざまな神仏が生みだされる。産神、山の神信仰、厄払いのお詣り、さらには合格や商売繁昌の祈願、道祖神の祭り等々。日本人の日常生活の中で生きつづけてきた民俗信仰の多様な姿を描き、そこに表われてくる伝統的な宗教意識を探った民衆精神史の試み。
目次
1 誕生の民俗―出産とウブ神
2 山の神―女の力
3 ハレとケ、ケガレ―日本人の「穢れ」観
4 神々と厄年
5 シラヤマ神―死と再生
6 和合の神―ケの維持のために
著者等紹介
宮田登[ミヤタノボル]
1936‐2000年。専攻は民俗学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なつきネコ@たくさんの本に囲まれてご満悦な化け猫
8
日本人の穢の観念の深さを知った。八百万というほど神がいるのに出産という穢には立ち合えず、ただウブ神のみが穢をものともせずに出産に立ち合うえる。では、今はウブ神信仰は聞かないために、氏神様か氏子の出産を守っているのかも知れない。さらに天皇の出産を手伝った異人の話は、ケルト人の伝説の中のブリジットがイエスの出産を手伝ったと言う話がある。ともに迫害された異人の権威につなげるのは同じで興味深い。山の女神と女性の考えも興味深い。そこから富士考における男女の同格に扱い、時期を合わせれば女性も登山ができるのも面白い。2019/07/10
スズツキ
8
穢がメインテーマ。直前に読んだ『活字のサーカス』と全く同じ「水死者を発見した漁師は大漁になる」という云われが出てきて驚いた。2015/03/28
はちめ
6
1979年の出版。様々な日本民俗上の神が紹介されているが、日本人にとってカミとは何なのか考えさせられる。例えば産神は名前も階位も持たず、河原で拾った小石を形代として祀られる。産神は産土神で氏神だともされるが、何故か神社は後方に退いて現れない。日本人が根源的に感じているカミはこのようなものなのかもしれない。アニミズム的な感じ方。ただ、現代社会においては、神社の安産の神が前面に乗り出してこのような日本民俗上の神は失われてしまっている。これでいいんだろうか?☆☆☆☆★2021/07/17
takao
3
ふむ2024/02/15
東雲
2
登録以前2013/10/02