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岩波新書
ヒンドゥー教とイスラム教 - 南アジア史における宗教と社会

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  • サイズ 新書判/ページ数 〔1〕,/高さ 17cm
  • 商品コード 9784004200086
  • NDC分類 168
  • Cコード C0200

出版社内容情報

多くの日本人のインド観はあまり深いものとはいえない.ヒンドゥーとイスラムの二つの宗教が,インド亜大陸を中心とした南アジアの中世社会において相互に影響し合いつつ対立・共存してきた歴史を具体的に描き出し,そのことが現代なお注目すべき課題としてこの地域の政治・文化の中に存在することを明らかにする.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

em

20
主にインドにおける二つの宗教を整理。歴史の中での伝播と変容が、コンパクトにまとめられています。偶像は、民衆に多数の神を識別させるには有効となるが、唯一絶対の神には必要ない。また、イスラムと比較してヒンドゥー教は積極的な布教をしない。これは他の「世界宗教」と呼ばれるものと比しても大きな違い。イスラムの拡大・浸透以降のヒンドゥーとの混淆。インド独立への流れ。著者は〈宗教戦争〉の名でまとめることを「レッテル貼り」と呼び、その背後にあるものへの理解を促しています。これは今も行われていると思いつつ、自省。2018/02/04

jj

7
1977年刊。印度における多神教のヒンズーと一神教のイスラム。ヒンズー社会におけるカーストは2千数百年前から存続しているのは驚愕。イスラム商人、トルコの侵略民、布教者によってもたらされたイスラム教。長い年月をかけて両宗教は融合、共存したという。ムスリム聖廟にヒンズーの来訪は歓迎されるという。低身分者間に普及したムスリム社会にもカーストも存在するという。また英国統治時代の混乱についても興味深く、別書を参考にしたい。印度人の服装ではいずれの宗教か判別困難という。ついつい笑ってしまう。2019/11/23

にゃん吉

5
南アジアにおけるヒンドゥー教とイスラム教について書かれた一冊です。最初の方で、宗教の内容や形態、信徒の社会関係等を歴史的にとらえる、一般民衆の生活の場における宗教のあり方に注意するといった、本書における著者の視点が示されています。こういった視点から、南アジアでイスラム教が広まった要因として、スーフィー聖者の影響が指摘されたり、南アジアにおいて、両宗教が、共存したり、融合している部分が示されたり、南アジアの社会の停滞のみを強調する歴史認識への警鐘が鳴らされたりしていて、門外漢の私には、興味深くありました。 2021/07/12

kaizen@名古屋de朝活読書会

5
岩波新書愛好会】タイでヒンドゥー教の儀式を見ました。仏教の儀式だと思ってみていたらヒンドゥー教だよと教えてくれました。仏教もヒンドゥー教も同じ地域から生まれた宗教だとを感じました。インドに行った際に、イスラム教の寺院を見ました。ちょうど、ハイデラバードというイスラム教の強い地域だったためです。2つの経験から、ヒンドゥー教とイスラム教の関係について、考えさせられましたが、手持ちの題材がありませんでした。ヒンドゥー教とイスラム教が、南アジアにおける題材を提供。2010/03/05

Zaid

3
宗教を捉えるとき、教義などの上部構造にばかり目が行きがちで、実際に「普通の一般人たち」はどのように信仰してきたのか、が得てして見落とされがちだな、ということに気づかされた。歴史的にどのように受容され、どのように変遷してきたかを概観するだけでも、「○○教とはこういう宗教なんです」と表現することがいかに難しいかが分かる。「○○教とは」といった概説書を読んでその宗教を知ったつもりになることがいかに危険か、肝に銘じたいと思う。2014/07/16

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