出版社内容情報
アユは渓流への季節の来訪者として親しまれている.アユの稚魚は川に放流して養殖されるが,そのためには「何尾のアユが川にすめるか」を解かなければならない.本書は,その必要から,“友釣り”の原理になっているアユの“なわばり”や,この攻撃的な強い魚の生活様式などを追究した興味深い動物行動学の恰好の入門書である.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
和菓子男子
3
「アユの放流をどうするか」という問題を解き、その過程で明らかとなったことを紹介した1冊。縄張り意識の話から人間の話まで幅広く書かれている。日本という土地に、四季という環境に合わせて生きていくアユの柔軟な逞しさに感心した。目的が示されているからこそ、アユの知識を体系化しやすかった。2017/01/27
シンドバッド
2
高校の教科書の採用されていたことで読んだもの。今の濫読の奔りの頃の思い出の1冊と云える。当時は年間100冊という目標を立てて片っ端から読んでいたものの、日本近代文学への傾注という状態であった。45年も前のことではあるが、本書の内容は未だに覚えていることからすれば、余程強烈な印象を持ったのであろう。
takao
0
レベル高い。2016/02/05
だいき
0
アユのなわばりは密度と関係している。密度が一定程度まではなわばりを作るが、密度が高くなるとなわばりが破壊され、群れをなす。観察によってこれらを明らかにした過程が凄かった。2020/03/26