岩波新書<br> 日本人と近代科学 - 西洋への対応と課題

岩波新書
日本人と近代科学 - 西洋への対応と課題

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  • サイズ 新書判/ページ数 212p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004160670
  • Cコード C0240

出版社内容情報

一刻も早く西欧文明に追いつくために,明治政府は数多くの留学生を派遣し,外人教師を高給で雇い入れた.白虎隊出身の山川健次郎や仏教思想による独自の進化論理解を示した丘浅次郎などの留学生,大森貝塚の発見者で進化論の紹介者モースなどのお雇い教師たちの行動と思想を通して,伝統文化と近代科学の出会いと相克の姿を描く.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

54
明治時代初期からの日本人と科学との係わり合いの歴史を俯瞰しているものです。昔学生時代からこの分野に興味を持っていたので、渡辺先生の本は結構読んだ記憶があります。この本もそれらの本よりも詳しく説明されていて私には結構興味深く読ませてもらいました。大森貝塚で有名なエドワード・モースの箇所は面白く読みました。2015/06/29

kazutox

7
1976年の本。I章からV章までは明治時代の科学者の話。日本人やお雇い外国人が何をしてどんな文章を残したかというもの。この部分は具体的で面白い。VI章とVII章は「日本人と近代科学」について著者の考えをまとめたものですが、ここはだいぶありきたりな感じがしました。2024/06/05

にゃん吉

6
武士階級から科学者、科学教育、行政家となった山川健次郎にみる、国家のための科学、和魂洋才の精神、お雇い外国人による魔鏡の研究にみる東西の文化交流、日本文化の理解者であったモースの生涯、社会進化論にみる、日本における自然科学の受容、展開の仕方、丘浅次郎の研究の背景に見て取れる日本的思想のバックボーンといった、多様な話題が論じられています。個々の話は興味深く、無作為に色々なテーマが記述されているように見えて、読み終えると、日本の近代科学の受容過程が立体的に見えてくるような気がしました。名著かと。      2023/06/03

讃壽鐵朗

3
日本人が、西洋近代科学が生じた「精神の仕事場」を見ることを怠っていたというのは、まさに至言である。2015/06/15

うえ

2
ビゲロウからモースへの手紙「君の手紙の中にひとつだけ気に入らぬことがある。それは,今なお君が貴重な時間を,誰にでもできるような下等動物の研究に浪費していて君でなければその挙動や習慣について十分に語ることのできない最高の動物のためには用いていないということだ。正直なところ日本人の方が虫よりもずっと高等な生物ではないか…忘れてはならぬことは,君と僕とが40年前に親しく知見した日本人という生物は消滅しつつあるタイプで…すでに地球の表面から完全に姿を消しており…この生物が生存しているのを見た最後の人間なのだ2014/06/24

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