出版社内容情報
集合論の創始者カントールが始めた破天荒の試みは「無限を数える」ことであった.それは現代数学が直面してきた課題である.難解とされる現代数学の根本概念を,数式を用いずにやさしく解説する「数学への招待」として本書は書かれた.音符が読めなくてもすぐれた音楽鑑賞家になれるように,数学を「鑑賞する」ための本といえよう.
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
115
昔高校時代に読んで途中でダウンした記憶があり、今回もチャレンジしましたが、やはりはごたえ十分すぎる感じです。あんまり難しい数式などは出てこないのですが言葉の説明だけ読んでも非常に理解するのに時間がかかりました。後半は再度じっくりと読みなおす必要がある気がします。2016/01/25
へくとぱすかる
29
1956年12月30日発行の第8刷で読む。当時は右開きのタテ書き、しかも旧字! 期待した無限論は、実は前フリであり、「群」や「非ユークリッド幾何学」についての、数学史を踏まえた解説が中心。歴史上何度も、それまでの常識をひっくり返しながら進歩した数学ではあるが、現代人は、数学を学ぶとき、自分自身の中で、何度も常識を覆さなければならないのが辛いだろうなぁ。2016/02/21
金吾
17
集合や位相、群に関して例を明示しながら書いていますので良かったです。「創られた空間」「初めに群ありき」が面白かったです。2024/04/17
しんすけ
17
かっては月の裏側の状態をかってに創造することができたが、今では許されなくなった。月の裏側に与太郎の影を描けば現代人の多くからバカにされるに違いない。時代の進化とともに創造の自由が限定されていくような気がする。 この様な事を書いたのは、かっては興味深く感じた本書の内容が再読の度に現代人には難しくなっているのではないかと思えてならなくなっているからだ。数学は思考遊戯という側面を持つものである。2020/01/06
中年サラリーマン
17
文章で読む数学の本。面白かった。まず、次元を解体する。1次元も2次元も3次元も大きさは変わらないただの集合<集まり>。ただ、僕らの感じる次元というものに具体化するためには集合の間にある<働き>を入れてやる必要がある。それによっておなじみの直線やら点やらが生まれてくる。再構築。ところで、<働き>自体に注目点を変えると実はさらに広い世界が広がっていて僕らの世界は全体の中の一部であることも知らされる。解体と再構築!分かりやすい内容でした。2014/01/18