出版社内容情報
物心のついた明治末年から,探偵小説に没頭した中学生時代,マルクス主義にふれた高校生時代を経て,弾圧の嵐のなかで小児結核医となる.太平洋戦争下には軍医としてかりだされ,戦後社会的活動に積極的に参加した経験をへて現在にいたるまで,時代の動向の中でどんな本を読み,そこから何を得たか.読書を通じて語る自叙伝.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シルク
17
小児科医の筆者が、幼時からの読書歴を振り返ったもの。戦争中、心身が削られていくような日々の中、現実から遊離した本を好んで読み、どんなに疲れていても数頁読まなくては眠れなかった…という描写が印象に残っている。心の栄養てな言葉が心に浮かんだ。半年前、授業をフルで回しながら論文を書いていた。その時、長時間のパソコンで目が充血し、涙が出る程痛くても、「ハウル」のある場面を10分程観ないことには気が済まなかった。論文を書き上げると、狂おしい欲求は落ち着いた。わたくしがあの時欲していたものも、心の栄養だったのだろう。2022/01/22
naotan
11
『私の読んだ本』というよりも『私のマルクス主義』といった内容だか、マルクス一辺倒というわけでもなく、戦後には共産党に失望した行き場のない心も描かれる。老年になり医師として体力の限界を感じ、『育児の百科』をまとめ上げた偉業には感謝しかない。本書によって救われた親は沢山いるのだから。2025/01/13
讃壽鐵朗
3
マルクス主義者の読書歴には、興味が湧かない2017/02/11
deltalibra
0
日付曖昧2013/04/25