感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ロビン
13
WWⅡでナチスに恭順したヴィシー政府に対してフランス・レジスタンスとして抵抗した文学者たちー詩人、作家、老若、国の内を問わずーについて書かれた本である。それぞれこの時期に代表作を作ったアラゴンやエリュアール、家族を失うとてつもない犠牲を払ったブロック、『海の沈黙・星への歩み』を書いたヴェルコール、若き闘士ピエール・エマニュエルやジャン・ケーロール・・。民衆から遊離し、力を失っていくかに思われたフランス詩は、この戦いにあって民衆と連帯し、犠牲と覚悟に裏打ちされた新たな力を得て、フランス国民を鼓舞したのだ。2025/05/24
sk
4
ナチス占領下のレジスタンス文学について書かれた本。文学と政治の問題に果敢に挑んでいる、加藤周一の初期の作品。2017/03/17
Hiro
1
フランスがナチスドイツに占領された世界大戦中の1940年6月から44年8月までの4年間、フランスの文学者たちがどのように解放に向けて抵抗したか、アラゴン、エリュアール、サルトルなどを取り上げて詩句を引用して論じている。印象深かったのはサルトルの「協力者とは何か」を紹介して、侵略者に抵抗ではなく協力する者の心理を説明している箇所。すんでしまったことをすんでしまったという理由だけで肯定する傾向(現実主義)と常に現在を過去として扱う知的態度(歴史主義)の二つが協力者の判断の基本にあると言う。2025/08/18
ゆきんこ
1
1940-44フランス文学のファシズムに対する抵抗2021/01/02
yuki
0
フランス文学の今につながる視点が学べました。2017/01/25